2013/04/29

[Travel Writing] Photo Fight in Kobe!

延暦寺の後は、一路神戸へ。SNSで知り合った方とのPhotowalkを、28日・29日とかけて行うことにしました。具体的な場所は一切決めておらず、神戸を中心に色々なところを見て回ろう、と思った次第です。それこそ、神戸市内に限らず、もっと別のところへ色々と回りたいなぁ、と、同行者と話をしたり提案したり、様々なところに連れて行ってもらいました。

まさか深夜の1時過ぎまで駆けずり回るとは思いもよりませんでしたけど ww

初日の28日は、明石~加古川の方へ。
ここら辺は全然土地勘がありませんので、詳しい方のナビゲートで、それこそ穴場と言えそうなところも含めて回りました。


その中でも、一行が特に気に入り、撮影のために時間を割いたのが、東播磨港の工場群! 丁度日も暮れかけた時で、空がだんだんと暗くなり、工場の灯りが少しずつ灯り始める時の光のコントラスト、そして時間の変遷に、夢中でシャッターを切った一行。
Technoscape Photographerではありませんので、大した写真はありませんが、是非とも皆さんにも見てもらいたい光景の一つです。

日もとっぷり暮れたし、晩御飯を食べて、また明日もあるので今日はこの辺で解散… と行かないところが、今回集まった方々の凄いところ。まさに撮影ジャンキー達なのですっ!
ご飯を食べ、ライトアップされた明石大橋を撮影し、さらに来来亭でラーメンを堪能した後(爆)、片道約一時間の道程を経て、神戸の夜景が一望できる摩耶山 掬星台へ。到着した時には、間もなく日付が変わろうとしていた時でした。 (´∀`;)
一応、頑張って撮影に励もうとはしていたんですけれどね… 夜行バスで延暦寺へ向かい、その足で神戸へ向かう、という、ノンストップ撮影タイム… ジャンキーをゆうに超えた行動でゴザイマス。


もっとコンディションいい日にチャレンジしたいなぁ… と、寝ぼけ眼を懸命にこすりながら撮影に励みまして、山を下りてホテルに着き、そのまま現像作業もせずバタッと寝込んでしまいました… (´∀`;)
門限も過ぎていたのに、扉を開けた状態にしてくださって、有難うございます。 > ホテルの方々


翌日。
29日のPhotowalkは、ちょっとゆっくりめで昼食を食べてから本格的に、ということにしましたので、昨日の疲れを癒しながら、朝はゆっくりと過ごしました。

……が。
それこそがまさに意思決定のミス。休日の三ノ宮駅界隈は、どこもかしこもコインロッカーが埋まっているのです! (゜д゜)
こちとら、東京から来ていますので大きな荷物がある! これを抱えたまま終日歩くには酷すぎるっ! ということで、朝っぱらからコインロッカー探し。ようやく、三ノ宮駅から少し離れたところの地下にあるコインロッカーに預けることが出来た次第です。 ^^;

2日目は、車での遠出はせず(昼食を食べた時点でお酒呑んじゃいましたので… (´∀`;))、徒歩で神戸の街並みをぶらり。道すがらの写真を撮りながら、一行は『神戸布引ハーブ園』へ向かいました。



神戸へは、それこそ何度も足を運んでいるにも関わらず、布引ハーブ園へは行ったことがありませんでしたので、ここで訪れることが出来てよかったですね~。休日ということもあって沢山の方で賑わっていましたが、それでも大混雑、と言うほどでは無く、思い思いに撮影を楽しむことが出来ました。

しかしここでもジャンキー達は、決して手抜かりをすることなく、研ぎ澄まされた己の感性を十二分に活かしながら、撮影に励んでいたのです。とりあえず目につく面白そうな被写体があったら片っ端から飛びつく僕とは大違いだーっ!
驚異の300mmのレンズを武器に、精緻な表現を引き出す方、流し撮りを極めんと、長時間立ち尽くし腕を磨く方、ライカカメラとフィルムを持ち、コストがかかるにも関わらずそれを敢えて承知で作品作りに余念を辞さない方。これぞまさにPhoto Fight! 果たして周囲には、この一行はどんな風に写ったのでしょうね… ^^;
いや、楽しかったですけれどね。


そんなこんなで、神戸のPhotowalkならぬPhoto Fightも無事終了! 今回撮った写真は、どちらかというと記録の側面ではなく、アートの側面として現像に挑戦してみようと思います。 ^^



摩耶山 掬星台 (Mt.Maya Kikuseidai) 神戸布引ハーブ園 (Kobe Nunobiki Herb Park)
View Larger Map View Larger Map

2013/04/28

[Travel Writing] Journey to follow the cherry blossoms - 比叡山延暦寺編

2013年の桜旅の最後を締めくくるのは、世界遺産としても登録されている『比叡山延暦寺』です。
「滋賀の桜の名所と言ったらどこだろうなぁ…」と検索し、色々と素敵なスポットあるものの、この中で僕の琴線に触れたところ、ということで、この場所を選びました。

滋賀県の春の範囲も非常に広いんですよね。県の1/6を、琵琶湖が占めるわけですから、ほとんどのところが平地であり、また気温の寒暖も、津では大坂や京都とほとんど変わらず、北上して彦根~米原、さらに北上すると余呉等、その気温差もそれほど大きくはありません(何と言ってもそれ以北は北陸)。
しかし、西部の山沿いになると気候は一変。それほど標高が高くないにも関わらず、麓は初夏の気候なのに、山頂は場合によってはジャケット着込むくらいに寒い、という時があるくらいです。
延暦寺に行く前にも、初夏の季節に『びわ湖バレイ』に行きました。その時も、麓では日差しが強く結構暑かったにも関わらず、山頂では少し肌寒く、上着を羽織りましたから。幸い、風が弱かったので凍えるほどではないですけれど。 ^^;

そんな感じで、滋賀は意外にも春の範囲を感じることが出来る、とてもお得な土地なんだな、と思っております。




夜行バスに乗って草津で下車。そこから電車を乗り継ぎ、坂本駅へ。比叡山へはケーブルカーに乗って登るため、ケーブルカーの駅まで徒歩。この、坂本駅(さらにはJR比叡山坂本駅)から、ケーブル坂本駅間の道がとても美しく、青々とした青もみじに彩られている様は、まさに初夏ならではの光景でした。きっと秋には、この道の葉が一斉に赤くなるんだなぁ… そうなった時の光景を、もう一回見てみたいなぁ、と思った次第です。 ^^

ケーブルカーに乗って延暦寺へ。
延暦寺は、比叡山全域が境内となっているため、その土地の広いこと広いこと! 場内を巡るのにバスが通っているくらいです。勿論、徒歩でぐるりと巡ることが出来ますが、比叡山だけで1日を費やすくらいに十分な時間を取っているのであれば可能だと思います。
また、やはり山よろしく、アップダウンが多数あります。さらに上の山頂へ続く道もあるため、登山の格好で境内に訪れる参拝客もちらほら。さすがは天台宗の総本山。一介の社寺とは訳の違う規模の大きさに、驚きを隠せません。

しかしながら、肝心の境内の桜は、というと…
あ、あれ? 思ったほど植樹数が少ない… (・ω・)
今回の延暦寺訪問は、横川の方へは行っておりませんので、何とも言えないところがありますが、少なくとも東塔・西塔では、植樹されているもののそれこそ見渡す限りの桜! というわけではなく、ポツン、ポツン、とした感じ。個人的に一番豪華に思えたのが、東塔の阿弥陀堂前の枝垂れ桜。う~ん… (・ω・)
こ、これは僕がそこまでしっかりと延暦寺を調べきれていないからなのだろうか。期待が大きかっただけに、落胆こそしないものの、ちょっぴりガッカリな面もありました。その代り、境内では至る所で石楠花が。桜が咲いているのに同時期に石楠花も咲き誇っている、というのも珍しいのでは、と思いましたけれど、鮮やかなピンク色で境内を染めていましたので、それはそれでよしとします。 ^^



比叡山延暦寺 (Enryaku-ji Temple)
View Larger Map

2013/04/27

[Travel Writing] Journey to follow the cherry blossoms - 会津若松編

桜前線も順調に北上し、今年も東北では至る所で桜を楽しむことが出来た、と聞いております。しかしまだまだ原発事故により進入規制が敷かれたところが多く、せっかく目の前に花開く桜の息吹を感じることが出来ても、人間が勝手に引いた境界線によって立ち入ることが出来ない… 如何に人間の安全性を優先させるとは言え、何とも寂しい限りです。

3月11日に気仙沼~陸前高田~大船渡へ行った、その次の機会としての東北の旅は、NHK大河ドラマ『八重の桜』の舞台、会津若松。主人公・新島八重は、人生の大半を京都で過ごしたものの、その過酷で波乱に満ちた生涯を終えるまで、ずっと会津に思いを馳せていたと聞きます。ただ単に生まれ育った場所だから、だけの理由ではない、彼女にそう思わせるだけの、『歴史』という一括りではなく、人々の『想い』が詰め込まれた土地。かの司馬遼太郎も、『街道をゆく』の中で、会津若松を執筆する上で、何をどこから着手すればいいか分からない、と文章を連ねるくらい。それほどまでに会津若松には、様々な歴史が刻まれているところと思いました。



今年の桜前線のスピードは、東北にも同じように影響しているようでして。
会津地方は内陸である土地柄からか、浜通りや中通に比べ、桜の開花がとても遅く、特に浜通りでだいぶ桜が散ったなぁ、という時に、ようやく会津地方で桜が開花する、という具合です。山間に囲まれ、さらには豪雪地帯。雪に閉ざされた分だけ、待ち侘びた春の到来は、それは人を大いに喜ばせるのではないかと思います。

……が。
今年の桜前線は、そんな人々の思いを無視するかの如く(爆)、あっという間に通り過ぎていったようで。開花したかなー、と思ったら、それこそふとチェックを怠った瞬間にもう散り際って感じでしたから。実のところ、今回の会津若松の桜見物は、『八重の桜』でも一際煌びやかな映像として利用されている『石部桜』を見ようと思ったのですが… 遠目から見ても分かるくらいの散り振り。 orz
何ともまぁ、思い通りにはならないものですねぇ。 (´・ω・`)

鶴ヶ城(会津若松城)も、その一気に駆け抜けんばかりの桜前線の影響を受けていたものの、まだ何とかもっていたようで、城内を埋め尽くさんがばかりのピンク色に染まった花の色に、しばし見とれておりました。
しかし、仕打ちはまだなお続きまして。城内の展示室で、往年の戊辰戦争~会津戦争の顛末を観覧し、最上階から外の景色を見ようとしたら。何といつの間にやら暴風雨。当然、厚い雲に覆われて磐梯山は見えず。前回もそうだった(前回は帰りがけに会津若松駅に到着したら見えました)… (´д`)
まだまだ見たいところたくさんあるのに、これじゃ全部散っちゃうじゃん ガーッ!! (゜д゜)

……って、天気に難癖付けたところで何も変わりませんので、とりあえずは止むまで城内で一息入れることに。ここまで一気に色々予定を片付けてきましたからね。


鶴ヶ城の観光案内でレンタサイクルを借りて、その足で会津若松をPhotowalk。御薬園、武家屋敷と巡り、會津藩校日新館へ。
會津藩校日新館は、本来あった場所は鶴ヶ城のすぐわき。現在建てられているところは、残されている記録などから復元したものです。
御薬園、武家屋敷はまぁいいとして、日新館は何であんな遠く離れているの?? 自転車では遠すぎますね。かと言ってそこまで気軽に行ける交通機関(バス等)があるわけでもなく、やはり日新館へ行くには車が一番妥当ではないかと思います。気合で自転車で行きましたけど。 ^^;



武家屋敷の中で一番大きな建物は、入り口を入って向かって左手のものですが、これは、幕末の会津藩の家老、西郷頼母の屋敷を復元したものなのだそうです。特に印象的だった展示物が、会津戦争の際、武家の一族として、決して敵の辱めを受けぬよう、頼母の妻や娘たちが一斉に自害した部屋。ただ一つ、守るべきもののためならば、己の生命すらも対価として差し出す姿勢。身震い、畏怖、現代の価値観では想像をも付かない状況ではないのでしょうか。
往々にして、その歴史上の選択は、正しい側面と間違っている側面とがあり、一概にどちらかに決めつけることは出来ません。たとえ辱めを受けようとも、自ら生命を絶たずに一生を全うすることを是とするか、それとも何物にも自分・家柄・武家としての誇りを大切にし、それを踏みにじられるくらいなら死を選ぶことを是とするか。
同じような状況下に陥った時、自分はそれが出来るかどうか、どんな選択をするか、問われているような気がしてなりません。

そんな、会津の頑固なまでの貫き通す意思を教育する現場が、日新館なのでしょう。

「ならぬことはならぬ」

頑ななまでに、会津に生まれ育った少年少女たちに植え付けられた『什の掟』。悪いことは如何なる理由があろうとも、理屈抜きで悪いことである。それをきちんと、頭に、心に、身体に刻み込むことが、会津の武士の成すべきことである。
強固な教育理念である反面、選択の自由が利かないところがあるようにも感じるこの掟。もし、西郷頼母の家族にも、そして若くして自刃の道を選んだ白虎隊にも、生きるための、最善を尽くすための『選択の自由』というものがもしあったら。『もし』や『たら・れば』等を歴史に持ち込むこと自体がナンセンスであることは承知の上であるのは申せ、どこか、そういった思いを馳せずにはいられないのです。

少なくとも。
現代を生きる私たち。幸せに生きるために必要な、最善を尽くすための『努力』と『選択』の道を、見失わずにいきたいものです。



若松城 (Aizuwakamatsu Castle) 會津藩校日新館 (Nisshinkan (School of Aizu))
View Larger Map View Larger Map

2013/04/14

[Travel Writing] Journey to follow the cherry blossoms - 小諸・上田編

まさか4月半ばで、長野の桜がピークを過ぎる、なんてことがあろうとは… (´∀`;)
というのが、率直な感想だったりします。

小諸城(小諸城址懐古園)、上田城も、桜の名所として知られており、やはり同じく行きたいと思っていたところのスポットです。他の桜の名所と同じく、具に桜前線や開花情報を観察しては、いつ行こうかと計画を練っておりました。当然の如く、もっと遅い時期を狙っていた矢先、「上田城の枝垂れ桜は3割がた散っている」という情報を見て、泡食って週末旅を遂行した次第でゴザイマス。 (´∀`;)



やはり、桜の名所とは言え、早朝ともなれば人はほとんどいませんね。おりしも雲がほとんどな真っ青な快晴の下での花見でしたから、人が多くならないうちに撮影しまくりでした。静かだし、周りに民家はあまりない。あっても、懐古園を出て千曲川の方へ下る必要があります。遠足や散策にはいいロケーションではないかと思います。

歴史に興味のあるお子さんであればここだけでもいいと思いますが、大抵はあまり城址や神社仏閣には興味がないと思いますので… (´∀`;)
懐古園と同じ敷地内に、動物園があります。小振りながら、ライオンだったりクマだったりいますね。特に鳥類が多いでしょうか。動物観察にも行くのもいいのではないのでしょうか。



小諸から電車に乗って上田へ。上田の桜の開花状況は小諸よりも少し進んでいる感じではあるものの、まだまだ園内の桜は見頃を迎えていました。

……が。
よくポスターでも使われている、東虎口櫓門の枝垂れ桜、ほぼ全て散っている… orz
本来なら、『城門を彩る桜』という感じで写真を撮ろうと思っており、事前に3割程度の散り具合と聞いておりましたので、「おっ! これは!」と喜び勇んでいたのも束の間。 (´д`)
このBlogの写真も、見頃をとうに過ぎてしまった枝垂れ桜がフレームに入らない様にして撮影しております。ちょっとどころかかなり悔しかった…

まぁ気を取り直して。

流石に到着したのが昼前後ともなると、観光客もわっさわさと入って大賑わいですね。おかげで自分の望む写真を撮るのに一苦労ですけれどね。 (´∀`;)
明治時代の廃城の動きを経て、石垣と西櫓しか残らなかったという憂き目にあった上田城。その後、市民の協力により整備・復元が施され、上田城址公園になりました。現在では、真田神社を始め、市民会館や博物館が敷地内に建てられ、市民の憩いの場になっているとともに、多くの観光客で賑わうようになったそうです。



その後は、上田駅周辺を中心に簡単なPhotowalk。特に上田の社寺を中心に回りました。どこも、散り際の桜が、境内を彩って素敵でした。 ^^



小諸城 (Komoro Castle) 上田城 (Ueda Castle)
View Larger Map View Larger Map

2013/04/13

[Travel Writing] 佐倉の春

今住んでいるところから(鈍行やバスで)2時間以内で行ける近場の場所って、いつでも行ける、という観念が働き、他に比べて注目度が低いというのは、僕の考えの甘さからきているところ。目を凝らし、情報をきちんと入手すれば、近かろうが遠かろうが関係なく、素敵なところはたくさんあるのです。
もう一つの目的として、47都道府県の中で少なくとも1つの市区町村の街撮りをしたい! と思っていたのですが、千葉県ではどこを歩こうか… と考えた時、丁度静かな武家屋敷の佇まいを見せる佐倉の写真を拝見して、「ここだ!」と思ったのです。

実は今回のPhotowalk以前にも、桜の季節の佐倉を訪ねておりました。しかし、まだ完全に桜は見頃を迎えてはおらず、それでも連日の暖かさで開花が進み、その一方でチューリップは全く花を咲かせず… 願わくば、桜とチューリップのコラボレーションを楽しもうと考えていたのですが、流石にそれは無理と判断し、チューリップが見頃の時に、改めてPhotowalkを行おうと考えた次第です。



佐倉駅に到着後、すぐさま佐倉ふるさと公園へ。混雑が予想される公園等は、人が少ない午前中移動に限る!
……という考えは、別に僕だけの専売特許という訳ではないようで、既に沢山の方が来園していたのは言うまでもありません。 ^^;
桜の開花と同じように、チューリップも、この春の急激な暖かさで開花が進み、今回訪ねたのは4月半ばですが、ピークはどうやら4月上旬(の後半)だった模様。まだまだ、公園に広がる色とりどりのチューリップを愛でることが出来たものの、2~3割で萎れた品種も多く、一部では、その役目を終えた球根を掘り起こすイベントが行われていました。

また、この日は風が強く、加えて乾燥していたため、土埃が激しく舞うこと舞うこと… (´д`)
だだっ広い公園は当然ながら埃を遮るものが無く、目や喉に何も入らない様にしながらチューリップ観賞しておりました。


チューリップ観賞後は、佐倉の街並み散策へ。往年の佐倉藩の面影を残す建物を鑑賞してまわりました。



佐倉藩の藩主と言えば、まずパッと思いあがる方ですと、堀田正睦ですね。江戸時代末期の老中として活躍した方としても有名で、佐倉城址公園には彼の銅像が建てられていること、そして旧堀田邸があります。
堀田正睦は、藩政改革とした蘭学を奨励したため、古い町並みの中にも、どこか西洋的な面影を感じます。特に医学の方面。佐倉順天堂は、堀田正睦が佐藤泰然を招聘して開院しましたね。それくらい、時代の波を読んで、何が重要なのかを熟知していた、ということが分かります。

ちなみにこの旧堀田邸、『侍戦隊シンケンジャー』のロケ地でもあったんですね! 戦隊モノは小学生の時のもう卒業してしまったので、それ以降は何があったのかは全く分かりませんが。 ^^;
他にも、NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』のロケ地としても利用されていたそうです。家屋内を歩いていると、そこかしこにドラマのパネルが展示されています。


新幹線も夜行バスも使わない、移動そのものは本当に気楽なものでしたが、それでも街中の散策は、遠出してその街の面影を知る、という感覚と同じものだと思っております。一口に古い街並みとは言っても、その風土や役割、形成の仕方はそれぞれで、色々な面を持っていて、本当に面白いですね。



佐倉ふるさと広場 (Sakura Furusato Park) 旧堀田邸 (Old Hotta Residence)
View Larger Map View Larger Map

2013/04/07

[Travel Writing] 高梁~総社を巡る春

昨日の雨模様から、少し不安定ではあるものの概ね晴れの日曜日。

「Kanekoさん、本当は晴れ男ちゃうんやないですか」

と真っ向から言われて超ぐぬぬの朝を迎えた次第ですが、その方のご相伴に預かり、車で移動するわけなので何も言うことが出来ず ぐぬぬぬぬ… (´д`)

いつもは(場合によっては日も明けぬ時分から)行動するのですが、今回は同伴者がいますので、その方の予定に合わせて行動。特に予定もない限りの、朝9時からの行動って結構自分としては珍しいのです。


まずは車で城見橋公園へ。そこからシャトルバスに乗り換えます。シャトルバス運行期間中は、公園の駐車場から城までの道は、車の乗り入れが出来ない、とのことです。シャトルバスに乗り、ふいご峠で降りたら、そこから歩き。さすがは現存天守の中で最も高いところにある山城。傾斜も場所によっては険しいです。日頃から歩くことだけはしっかりとやっている手前。備中松山城への登城は特にわけはないのですが、同行者の方が… (・ω・) フフフ…

「煙草止めたらいかがですか~? (・∀・) ニヨニヨ」

と、午前中の憂さを晴らさんばかりに言い放とうと思いましたが堪えました。仮にも年長の方、敬うべきですからねっ



『天空の城』の異名を持つ城と言えば、兵庫県朝来市の『竹田城』が有名ですが、こちらも負けてはいられない! さらに、小振りとは言え威風堂々たる天守もありますし。今回訪ねたのは春先ですが、秋になれば素晴らしい紅葉が見られるのではないかと思いますし、また標高の高い城であるからこその光景、『雲海』ですね。天候の条件が整った、朝の数時間の間でしか見られない素晴らしい光景を楽しむことが出来るのでは、と思います。
機会があれば、是非、それにも挑戦してみようと思います。 ^^


備中松山城を降りたら、昼食を摂って高梁市内を散策。丁度、ひな祭り(旧暦)が催されており、町屋通りは、色鮮やかなひな祭りの飾りで彩られていました。


この日は、最大の目的として備中松山城と、この後に訪れる備中国分寺(時間があれば津山城)でして、高梁市の街並みについては、ほとんどノーチェックでした。その分、赤を基調とした色鮮やかな飾りがお目見え、それに添えられるように春の色とりどりの花が出迎えてくれる、というのは、驚きと意外性でとても楽しむことが出来たように思います。
町屋通りを連ねる古い軒は、どれも江戸時代からの商家の趣を感じることが出来ます。丁度このあたりは岡山の西部。更に西の備後や中国地方と、播磨・近畿地方とを結ぶ拠点として栄えたのでしょうか。今回は町屋通りのみの簡単な散策でしたが、是非是非、他の場所にも行ってみたくなる、そんな旅情を醸し出すところでもあるように思います。



最後に訪れたのが、備中国分寺。
これもSNSで交流しているユーザさんの写真の、菜の花と備中国分寺の五重塔の写真を拝見した時から、この季節に行きたい! という思いからきたものです。
が、菜の花の最盛期は3月。4月に入り、もうその光景は見られないんじゃないか… と半ば諦めモードでいましたが、なんとまだ現役! しかも、備中国分寺を取り囲むように、桜や桃の花も一斉に花開いていました。黄色、薄紅、赤… 自然の鮮やかさが見事に輝いている瞬間に、ただただ時を忘れて撮影していました。

今年の桜の開花は、気温の高低の激しさでいつも以上に予想が付かず、なかなか自分の望んだ光景をフレームに収めることが出来ないのではないか、とヤキモキしておりましたが、ところによってはギリギリ何とか、というのもあるものの、概ね満足のいく春旅になったのでは中と思います。
また、今回のPhotowalkのために、ご同行下さった方に、この場を借りて御礼申し上げます。ただ一言。安全運転を心がけましょう。



備中松山城 (Bitchu Matsuyama Castle) 備中国分寺 (Bitchu Kokubun-ji Temple)
View Larger Map View Larger Map

2013/04/06

[Travel Writing] Journey to follow the cherry blossoms - 龍野編

「ここは、片平なぎさ主演の『赤い霊柩車』のロケでも使われましてねぇ」

という、観光協会の人の案内でグサッと来たワタクシ。
ええそうですよ、たつの市に来たのはドラマが影響ですよ悪い!?

……コホン。取り乱しました。
まぁ今更そんなことを体面整えても仕方ありません。確かにきっかけはドラマですが、そこから色々と龍野を知りたい! と思うようになったのは事実です。 ^^


降り立った姫路駅では、今にも雨が降らんとする空模様。青空の下でのPhotowalkは今回は無理だな… 雨は雨で楽しめるのですが、如何せん桜の季節。花が散ってしまわないかが心配です。満開になって少し日が経っただけに…



とは言え、雨風もそれほど強くなく、一気に散ってしまう、ということはなかったので、胸を撫で下ろした次第です。
播磨地方の要所の一つである龍野城は、同時に桜の名所でもあり、現在は公園として整備されているそこは、華やかなピンクで彩られていました。現存する遺構は石垣のみで、写真などでよく見る隅櫓は復元したもの。本丸御殿も30年ほど前に再建されたものであり、往年の面影は殆ど残っておりません。それでも、4月の上旬には武者行列が街を練り歩くなど、ところどころに、街を伝統を守っていこうという気概のようなものがあります。残念ながら、たつの市は土曜日のみの滞在で、翌日の日曜日に開催される武者行列を見ることが出来ませんでしたが…

城だけでなく、江戸後期~末期から伝わる武家屋敷もあり、現在は資料館として、当時の暮らしぶりや家具等が展示されています。戦国から江戸時代の、古き良き面影を感じることが出来ます。


また、たつのと言えば、童謡『赤とんぼ』が生まれた土地。その縁もあってか、童謡の街としても有名です。何より、その童謡の生みの親である三木露風の生誕地であるため、たつのは文学の街としても名を馳せています。龍野城界隈の古い町並みには、小さな文学資料館もいくつかあります。今に伝わる、たつのが産んだ嘗ての文学界に名を連ねた文壇たちの生活や作品の生まれた背景などを、そこで垣間見ることが出来ます。
少し歩き、龍野神社~龍野公園の奥の方、国民宿舎の方へ行くと、たつのの市街を見渡せる展望台となる丘へ登るところがありますが、そこが『童謡の小径』と呼ばれる場所でもあり、歩いていると、どこからともなく童謡が聞こえてきます。どこか懐かしく、優しい雰囲気になる、散歩道です。晴れていれば、丘から見えるたつのの眺望は素晴らしいものだと思うのですが、生憎の空模様で、雨も降ったりやんだり、時に強い風が吹きますので、写真撮影は断念。また、雨風を凌ぐため、屋内の施設に移動することにしました。



そして忘れてはいけないのが、食文化の街でもある、ということ。代表的なのは、たつの市に流れる揖保川の名前を冠した『揖保乃糸』ですね。昼食ににゅう麺を食べました。 ^^
その他、たつのではうすくち醤油の生産としても名を馳せています。代表的な企業が、たつのに本社を置く『ヒガシマル醤油』。工場もありますね。訪ねた『うすくち龍野醤油博物館』では、江戸時代から戦前までの醤油の生産工程とその時に使われた道具、宣伝ポスターに至るまでのものが展示されていました。今も昔も、日本の食卓を守ってきた土地でもあるのですね。

歴史的建造物や童謡・文学、そして食文化に至るまで、魅力満載の土地であるにも関わらず、何となく寂しい印象を受けたたつの市。武者行列の日であれば、その様子もガラッと変わり、賑やかになるのかな? 雨だったから、それほど人が多くなかったのでしょうか?
個人的には、その方がスムーズに方々を見て回ることが出来るとはいえ、素敵な街であるにも関わらず、あまり注目度が高くない、というのが残念なところでもあります。う~ん…
ま、まぁ、食品加工の工場見学も、人気なところと言えばビールや乳製品ですし、醤油は毎日の食卓に欠かせないとは言え、調味料の一つですから、どこか陰に隠れがちなのでしょうかねぇ… ^^;

たつの市のPhotowalkの後は、電車を乗り継いで岡山へ。SNSで知り合った方々と、焼肉を頬張りました。



龍野城 (Tatsuno Castle)
View Larger Map