2012/10/28

[Travel Writing] 五箇山の錦秋

昨日までは青々とした天気だったのに、この日は生憎の空模様… 富山県 砺波市と南砺市の周遊の旅を楽しみたかったのですが、まぁ、これはこれでいいかな、と自分に言い聞かせています。 ^^;
砺波市と南砺市の旅では、Google+でお世話になっている人にコンタクトを取り、「ご一緒しませんか?」と声を掛けたところ、快く引き受けてくださいまして、実現しました。ほとんどの分野で鉄道等の交通機関を使った旅が多く、城端線も城端駅で終了。それより南の五箇山へ向かうには、本数の少ないバス等を利用しなければなりません。今回ご一緒頂いた方は、有難くもお休みを取っていただいたようで、観光スポットが豊富で、様々な様相を呈する魅力あふれる街・南砺を、思いっきり楽しむことが出来ました。 ^^

小牧ダム庄川にある廃墟の橋

砺波市から南へ向かい、南砺市の境界線のところにある小牧ダムへ。ここは2001年、土木学会選奨 土木遺産に認定されたダムでもあります。
また、小牧ダムからさらに南へ向かったところ、庄川と利賀川との合流地点のところに、朽ち果てた橋脚の残骸が! もうこの時点でテンションは上がってしまいまして。 ^^;
単純な家屋や校舎・庁舎の廃墟は、好きなんですけれどそこまで琴線に触れたことはないものの、こうして大自然の中に、まるで眠るように、そして、もはや人工物とも自然物とも分からないように佇む遺構や廃墟は、僕の中の冒険心を思う存分にくすぐってくれます。あまり時間も無いのに、「あー、ここ見たい! 見たい!」って、年甲斐もなくはしゃいでしまいましたので… ^^;

さらに下って、いよいよ五箇山の合掌造りの集落へ。『こきりこの里』と、『相倉合掌造り集落』へ行きました。こちらも、世界遺産として指定されています。

こきりこの里 - 一こきりこの里 - 二

相倉合掌造り集落 - 一相倉合掌造り集落 - 二

五箇山の合掌造りは予てから知っていたものの、やはり『合掌造』という言葉を聞いてまず最初に思い浮かべると言ったら、岐阜県の白川郷。景観・面積・合掌造りの戸数で言えば、こちらの方が多いですし、有名かもしれません。交通の便や観光地としての整備も行われていると見受けられます。
が、人によっては、あまりにも整備され過ぎているために、集落ならではの侘しさや静けさといったものが失われているのではないか、それならば、まだ観光客の数が少ない、五箇山へ行った方がいいのではないか… とおっしゃる方もいます。人それぞれの好みはありますが、いわゆる1日、もしくは宿泊しながら、の~んびりと合掌造りを楽しみたい、というのであれば白川郷を、規模は小さいながらも、じっくりと楽しみたい、フォトジェニックとしての合掌造りを求めたい、というのであれば、五箇山を、という感じでしょうか。
折しも、合掌造りの地域は間もなく紅葉が真っ盛り。訪れた時も、6~7割は紅葉が進んでいた、という感じでしょうか。晴れていたら、一層よかったんですけれどね~… まぁ、天候だけは人間の力ではどうにもなりませんし。

さらに南砺では、井波、そして城端地域で、これまた僕が大好きな場所が!
城端地域では、規模としてはほんの数件程度ですが、路地裏に、かつての面影をしのばせる蔵造の町並みが、そして井波では、彫刻の街として栄えた通りがありました。

南砺市の土蔵群木彫りの里の街並み - 一

瑞泉寺木彫りの里の街並み - 二

いずれも、昔ながらの町並みや家屋を大事にしているところで、こういうところを歩くのが本当に好きで、ガイドブックを見るだけでは、そして単身で行くだけでは、決して辿り着けない場所だと思いました。もう、今回ご同行いただいた方には、紹介していただき、もう感謝も絶えません。
特に、彫刻の町並みが素敵ですね。家屋の看板、通りを飾っているオブジェや人形、社寺の柱、果てはバス停のデザインに至るまで、きめ細かな彫刻の数々… 見飽きることはありませんでした。特に、瑞泉寺の山門や伽藍に刻み込まれた彫刻は、着色すれば、日光東照宮に引けを取らないんじゃないか、というくらいの造形だったと思います。必見の価値ありだと思います。
そう言えば、同行の方に窺ったのですが、この地方では、男のお子さんが生まれると、木彫りの天神様を送る風習があるそうで。木彫りを生業としている職人さんも、様々な表情の天神様を彫っては、その家の子が元気に聡明に育つように願うんだそうです。特に北陸界隈で見られる風習のようです。男の子にとって、素敵な思い出にもなるでしょうね。 ^^



小牧ダム (Komaki Dam) 相倉合掌造集落 (Gokayama - Ainokura village)
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2012/10/27

[Travel Writing] 上越を彩る秋の旅

紅葉のラインは少しずつ南へ、そして標高も下へ…
10月の始めに、乗鞍岳、そして千畳敷カールへ行きました。そこだけでもあまりの紅葉の見事さに、ちょっとお腹いっぱいになってしまいましたが… ^^; それでも、やはりこれまで見てみたいなぁ、と思った場所を、ある意味片っ端から見たい、という衝動が強く、意を決して行ってみました。
行先は新潟県の上越地方、妙高高原と直江津です。

秋色の妙高高原と妙高山 - 一秋色の妙高高原と妙高山 - 二

妙高高原の紅葉は、10月下旬から11月上旬にかけてが見頃。標高もそれほど高くなく、交通の便も良い。いもり池まで、妙高高原駅からバスが出ていますが、距離もさほど遠くはありませんので、ハイキング感覚で周遊するのもいいかもしれません。
まだ少し緑が青色をしているところも散見されますが、総じて秋の装い。天気も良く、空の青さも相成って、最高の秋晴れの下での紅葉狩りとなりました。

白樺の森周遊 - 一白樺の森周遊 - 二

いもり池から少し歩いたところに、白樺の遊歩道があります。鬱蒼と生い茂った林の中を、約500mくらい歩く程度の小ぢんまりとした遊歩道。むしろ、それ以外のものが無いのがいいですね。紅葉の雑木林の中を歩く。しかもあまり注目されているところでもないため、人も全くと言っていいほどいません。こういうところを歩くのも、いいかもしれません。


妙高高原の次は、直江津へ。
レンタサイクルを借りて、直江津市内を周遊。まずは、少し遠い春日山城へ。
春日山城は、言わずと知れた上杉謙信の居城。にして、難攻不落の山城です。春日山城の麓までは、緩やかな坂道。駐輪場に自転車を止め、春日山神社に上るのですが、その階段が一番きつかった… これ以上にないっていうくらい急峻でしたし。お年寄りとかお子さんとか、春日山神社の階段は大変ですわ… (´д`)

春日山神社本丸から臨む上越市

上杉謙信像林泉寺

春日山城の本丸は、春日山神社の境内からさらに山道を歩いて20~30分。急峻な山道ではなく、山道も整備されています。が、一部では柵も無いところもあり、歩行の際には注意が必要です。また、山城はまさに自然の要塞。蜂もいれば蛇も出ます。十分にお気をつけください。
ただ、春日山の山頂でもある本丸に登り切った後の景色は格別! 上杉謙信になったかのような気分です。なお、本丸から直江津港の方へ目をやると、何やら港湾の工場が… 今回は時間の関係上、工場撮影には参りませんでしたが、改めての機会に行ってみようと思います。

本願寺国府別院五智国分寺

直江津は、上杉謙信が本拠を構える場所として有名ですが、実は親鸞聖人が流れ着いた場所としても有名であることをご存知ですか?
直江津の街を自転車で周遊すると、至る所で、親鸞ゆかりの社寺や、親鸞聖人が直江津に流れ着いたスポット等を見ることが出来ます。ここへ流れ着き、京の都に帰ることを望みに、浄土真宗の不況を行っていた親鸞聖人ですが、ついぞ京の地に足を付けることは叶わなかったそうです… それでも、その地に根付いた浄土真宗の教えは、今もなおそこかしこに受け継がれ、今日に至っている。彼の教えは、人々の救いとして横へ横へと広がっている。人生、全てが不幸な結末しかないのか、といったら、あながちそうでは無いですね。彼の生き様・記憶、後の世にも、連綿と受け継いでいくことだと思います。



妙高高原 (Myoko Plateau) 春日山城址 (Kasugayama Castle Site)
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2012/10/19

[Travel Writing] ススキの黄金の野

きっかけは、電車内の広告を見たこと。見渡す限りススキが広がり、太陽の光に照り輝く様は、まるで黄金の野。10月が見頃の細野高原のススキ野。一度でも見てみたいと思い、決行を決めました。勿論、『風の谷のナウシカ』の、「その者青き衣を纏いて金色の野に立つべし」の文句が頭に過ったのは言うまでもないですが。 ^^;

出発は、伊豆稲取駅から。そこからバスが出ています。伊豆アニマルキングダムを経て、細野高原へ。バスはやや小振りで席数もそこまで多くないため、観光案内所で事前の申請が必要になりますが、要予約と言うわけではありません。
伊豆アニマルキングダムまでの道のりは、アップダウンこそあるものの、車道として整備されており通りやすいところではあります。が、そこから先は、一気に道幅が狭くなり、一車線で車が通るのがやっと。土のデコボコした山道を通ります。他の車両とすれ違うものなら、どちらかが一旦下がって譲り合わなければなりません。が、その山道も、片方が(場所によっては)崖。運転技術が熟達した人でも怯むのではなかろうかと。 ^^;
伊豆稲取駅から細野高原の道程は、車で30分程度ですので、多少時間がかかっても、歩きで行く、というのもいいかもしれません。一方で、細野高原へのバスは、ススキのイベントが行われている10月のみ。そして、9:00から15:00までです。ススキの野が美しくなるのは、昼間の太陽の光もそうですが、夕方の黄昏の光を浴びた時もとても美しいと思います(ポスターを見る限りですが)。ただ、その時間帯はバスはやっておらず、細野高原のイベント会場も閉まっているため、タクシーか自家用車、もしくは歩きで。会場へは、街灯の無い森の中を通りますので
、その時間帯の歩きはあまりお勧めできません。

ススキの黄金の野 - 一ススキの黄金の野 - 二

天気がいい時を見計らって行ったからか、到着した途端、目の前に広がるのは、黄金色に輝くススキの野が、360度の視界いっぱいに広がって、到着してしばらくそのまま見惚れていました… ^^
イベント会場で自転車(マウンテンバイク)を借り、三筋山の方まで行こうとしたところ、会場の人に驚かれまして… 「えっ、あんなところまで自転車で行くの!?」と。結構距離があるように見受けられましたので、時間もあるし、行ってみようかな、と… ただ、手前の道なりの傾斜が比較的緩やかでしたので、自転車で行けるだろう、とたかをくくっていたら、緩やかなのは出発地点の手前だけ。進むにつれて、その傾斜の急斜面たるや! 途中で自転車をこぐのを止め、手押しで山頂に目指した始末です。 (´д`)

但し、頂上に登ってからの景色は絶景! 伊豆の海が一望できます。秋の爽やかで少々冷たい風が、汗だくの身体を浚うように吹き抜けていき、とても気持ち良かったです。

三筋山からの風景ススキの黄金の野 - 三

黄金のススキを愛でながら下り、イベント会場で昼食を摂ることに。その時の屋台主のご店主が、50代前半にも関わらず日焼けし屈強で、山頂まで自転車で上ったことの苦労を語ったところ、「自分は海岸線からほぼノンストップで山頂まで上った」と…
僕の方が若いのに、何だか悔しい… (´・ω・`)
確かにご店主は、毎日のように自転車に乗っているから、らしいですが。これを聞いた機に、もちょっと自分を鍛え上げようと思った次第です。出来るかな… ^^;



細野高原 (Hosono Plateau)
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2012/10/07

[Travel Writing] 錦秋の千畳敷カール

不勉強ながら、千畳敷カールを知ったのは、実は今年に入ってから。Wikipediaのトップに掲載された写真の、夏の千畳敷カールを見た瞬間から、「ここに行きたい!」という衝動に駆られ、すぐさま行き方や必要な所持品等を調べたくらいです。 ^^;

中央アルプスの宝剣岳の直下に広がる氷河地形(圏谷)。冬から春にかけてはスキー、夏は登山に高山植物観賞、秋は紅葉と、年中無休で楽しむことが出来るこの場所は、まさか ロープウェイに何時間待ちもの大行列ができるほどの大人気 とは思いもよらず、最初は本当に軽くあしらっていたのです。何せ、新宿から高速バスで約3時間、駒ヶ根ICから1時間もかからないうちに、千畳敷カールの麓である『しらび平』にたどり着き、そこからロープウェイに乗っていくのですから。
結構簡単にアクセス出来るんだなぁ、高速バスだって、1時間に1本のペースで出ているんだし、と軽く見ていたら痛い目に合う。だって、シーズン中ともなると、そのロープウェイは凄い時になると 4時間待ち になる、というのですから!

その主な原因は、菅の台バスセンターからの乗車。新宿から駒ヶ根ICに降りる、もしくは駒ヶ根駅からのバスの乗車であれば、それほど混雑はしていない、というか、むしろガラガラに近いです。菅の台バスセンターは、名古屋からの高速バスのターミナルになっている、ということもさることながら、中央アルプスの登山を楽しむ登山客のホテルが密集している、ということもあり、このバス停から一気に混雑が始まります。
僕の場合、日中は大混雑が予想されることから、駒ヶ根市で一泊し、早朝06:30のバスで『しらび平』まで。しかしそれでも、菅の台バスセンターでは既に大行列が出来ており、且つ、千畳敷カールまで行くための唯一の交通手段であるロープウェイは、早朝にもかかわらず 1時間以上の待ち! 早朝だからと言って油断は本当に禁物。そんな場所なのです。 ^^;

加えて、中央アルプスという天候の変わりやすい山の気候であるのは勿論のこと、特にこの千畳敷カールは、恐らく霧が濃い場所なのではないかと思います。例え、駒ヶ根市や伊那市で晴れていたとしても、山の方は曇っていたり、もしくは雨模様だったり。ようやく僕が千畳敷カールにたどり着いた時も、濃い霧に覆われていて、一応、半径5m以内の紅葉は見ることが出来たのですが、やっぱりこれくらいかぁ、と思っていました。その矢先のことです。

錦秋の千畳敷カール - 一錦秋の千畳敷カール - 二

錦秋の千畳敷カール - 三錦秋の千畳敷カール - 四

さーっと霧が晴れ、千畳敷カールの全景が目に飛び込んできた時の衝撃! 前日の乗鞍エコーラインと同じように、息を呑む風景とは、本当にこのことを言うんでしょうか…
もし、このまま千畳敷カールが霧で覆われたままだったら、30分としないうちにロープウェイで降りようかと思いましたが、こんな絶景を見たら最後、隅々まで堪能せずにはいられなくなり、結局2時間以上はてくてくと歩いたかと思います。千畳敷カールだけであれば、40分くらいで散策できるのですが… ^^;

勿論、この時は本格的な登山道具は持っていませんでしたので、宝剣岳への登山はせず。しかし、ロープウェイに乗ってきた観光客の多くが、宝剣岳に向かっていました。夏場に、一度挑戦してみようかな、と思っています。基本、素人ですけれど… ^^;


乗鞍岳、千畳敷カールと、1泊2日の行程で、北アルプスと中央アルプスの早い紅葉を堪能してきました。これまで、何度も行きたいと計画を立てては立ち消えしていたところだけに、今回こうして行くことが出来て、また、雨に降られなかっただけでも幸いでした。
また、両方とも初めての訪問で、しかも紅葉シーズンという人気絶頂の時に行きましたので、そもそも帰りの足をちゃんと確保できるかどうかがドキドキでしたが… ^^; まぁ何とか帰れてよかったと思っています。今度は、夏の登山シーズンに、改めて行ってみたいですね。そして、その土地ならではの料理や、温泉を堪能したいとも思います。



千畳敷カール (Senjojiki Cirque)
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2012/10/06

[Travel Writing] 錦秋の乗鞍岳

「ハイヒールでも行ける3,000m級の山」という触れ込み。幾度とテレビ番組で取り上げられ、その興味を駆り立てられてきた乗鞍岳。そして、Google+のオフ会で知り合った方が、これまで30回以上も車で飛ばして乗鞍岳に登った、それくらい美しいし、嵌る、という話を耳に。
そんな話を聞けば、否応なく興味を注がれずにはいられない! ということで、恐らく最も混雑するであろう紅葉の時期(10月初旬)であるにも関わらず、乗鞍岳行きを決行した次第です。 ^^;

乗鞍岳は、新宿から高速バスでの直行便があります。が、やはり紅葉の時期は人気が高いらしく、1ヶ月以上前の時点でも、土日の運行はほぼ満席。そのため、松本駅~新島々駅を経て、乗鞍高原行き~乗鞍岳(畳平)行きのバスに乗り換える、というルートを取りました。

夜行バスで松本駅へ。松本駅着が朝の04:30。まだ陽も出ていない松本、加えて10月に入った、ということもあり、結構寒い! しかしそれでも、マニアの登山者にはそんな暗さ・寒さなど関係なく着々と準備を進め、松本駅のホームに向かうのです。
新島々まで行く松本電鉄上高地線は、既に04:30の時点でホームに灯りがともされていましたが、何より驚いたのが、こんな早朝であるにもかかわらず、既に登山者でホームが埋め尽くされていること! 松本駅発04:45ですよ(しかも臨時)! それなのに、電車の中は立っている人もいて、その熱気が社内に充満している、ということですが一体どういうこと!? そこまで乗鞍岳は人気のスポットなの??

しかし新島々駅に到着し、蓋を開けてみたら、乗鞍高原行きのバスに乗車する人はそんなにおらず、そのほとんどが上高地行きのバスへ。どうやら10月の第1週の土日に限り、早朝の臨時バスがあるのだとか。上高地自体の紅葉は10月半ば~下旬ですが、そこから先、穂高岳の紅葉は10月上旬が見頃。恐らく、その登山客だと思いました。
それにしても、上高地行きのバスが出発した途端、新島々駅は、それまでの賑わいが嘘かと思うくらいに、えっらく閑散してしまいまして。まぁ、個人的にはこれくらいの静けさの方がいいんですけれどね。 ^^;


新島々駅からバスに乗って50分ほど、乗鞍高原に到着。登山や紅葉などのシーズンは、さらに先の三本滝というところからマイカー規制が入ります。乗鞍岳(畳平)行きの始発はこことなるため、大抵の人はここでマイカーを駐車させ、乗鞍岳行きのバスに乗車します。バスは大体1時間に1本くらい。ど田舎より本数出ているのでは(爆)? また、混雑具合によって、臨時のバスを出すこともありますので、よほどの混雑でない限り、1時間待つ、ということは無いと思います。
その時、バスの運転手さんから教えていただいたのが、乗鞍岳山頂は、実際にはほとんど紅葉が見られない、ということ、乗鞍岳(畳平)まで向かう途中の、位ヶ原が絶景だということを教えていただきました。さらに、帰りのバスのことを考慮すると、位ヶ原で途中下車して、そこから徒歩で登って畳平まで行った方がいい、ということでした。行きも混雑するということは、帰りも混雑する。始発である畳平から乗った方が、むしろスムーズに帰ることが出来る。帰り、位ヶ原からの途中乗車では、もしかしたらバスを待たなければならない可能性がある、ということらしいです。
確かに。言いたいことは分かりました。時間もまだまだたっぷりあることですし、地図を見て大体の距離を確認。位ヶ原で途中下車して、歩きで乗鞍岳(畳平)を目指すことにしました。

錦秋の乗鞍エコーライン - 一錦秋の乗鞍エコーライン - 二


錦秋の乗鞍エコーライン - 三錦秋の乗鞍エコーライン - 四

いやー、大正解!
やっぱり帰りのことを考えると、位ヶ原で降りて、乗鞍岳(畳平)まで歩く、というルートの方がよさそうです。登るといっても、畳平まで道路が舗装されているのですから、歩きやすいですし、傾斜もそれほどきつくはない。普通に散歩の感覚で行くことが出来ると思います。
そして何より、乗鞍エコーラインを覆うかのような、緑・黄色・橙・赤のグラデーション。予てから焦がれていた景色が、今実物として目の前にある、となると、もう、本当に感動せずにはいられません!
乗鞍エコーラインの歩きも、実際は1時間~1時間半くらいで行けるような距離なのですが、2時間半くらい、ゆっくり時間をかけて、勿論、これでもか! というくらいに写真も撮って(爆)、今年最初の紅葉を楽しみました。もうこれで、今年の紅葉はいいかな、と思ってしまうくらいに。 ^^;

そして、遠くの北アルプスの山々の青色も相成り、息を呑むほどの景色の美しさとはまさにこのこと、と言う感じですね。このためだけにリピーターが出来る、というのも分かる気がします。

魔王岳からの眺望富士見岳からの眺望

お腹いっぱいになるくらいに紅葉を堪能した後は、乗鞍岳(畳平)まで登り、周辺の山々をいくつか登って散策。さすがにここらへんになってくると、高木がほとんど… というより、全く無く、高山植物、特にハイマツが多く生い茂り、その緑と、岩石の灰色と土の茶色が目立つ、典型的な高山の風景へ。やはり、夏の登山シーズンに見られる瑞々しさはどこか過ぎ去ったようで、どことなく、寂しさが募るような、そんな風景が眼前に広がっていました。

乗鞍エコーラインにしても、欲を言えばもうちょっと雲が取れて鮮やかな青空を見ることが出来たらな~、と思いましたが、それはちょっと欲張り、というものですね。少し霞がかった乗鞍岳の道程でも、それはそれで味わいのあるものだと思います。



乗鞍岳 (Mt.Norikura)/乗鞍高原 (Norikura plateau)
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