2011/12/24

[Travel Writing] 山陰~山陽道の雪巡り - 兵庫編

雪を追う旅の後編は、兵庫 朝来市。『天空の城』の異名を持つ、竹田城への旅です。

竹田城へは、JR播但線 竹田駅から徒歩で歩いていけます。だいたい20~30くらいの登山道。登山と言ってもトレッキング感覚で登ることが出来ますが、思ったより急な上に、結構滑りやすいですので、特に冬場に行かれる際はご注意ください。

竹田駅周辺にも宿泊施設はあるのですが、交通の便やその他の施設へのアクセス等も鑑みて、竹田駅よりやや北部にある、和田山駅へ。24時間営業のスーパーマーケットがありますから、夜でも買い出しは可能なのですが、和田山駅から結構歩く上に、ホテルに置いてあるスーパーマーケットへの地図があまりにも分かりづらくて、1時間くらい迷った挙句に辿り着けなかったという… orz
やはり、事前に調べておくことは重要だと、またもや(これまでにも何度もあったのに…)認識した瞬間でした。まぁ何とか飲み物はありましたので、空腹だけは何とか凌げました。そして翌朝になり、朝6:00くらいの電車に乗って竹田駅へ。一路、竹田城へ登ったわけです。

宿泊当夜、和田山近辺にも雪がちらついていたものの、積もるには至らなかったし、鳥取・津山の経験もあったので、さほど大きな期待は寄せていなかったのです。ところが、和田山駅を出て竹田駅に向かう途中の田園風景に目をやったところ、一面の雪化粧。そして空は晴れ。これ以上の絶好の条件は無いというくらいに。
いやいやいや、やっぱり実際に登らないことには、最終的な判断・評価は出来ない。喜びもあり、不安もあり、期待もありの、複雑な感情を持ったまま、いざ竹田城へ。登りきった時に目に飛び込んできた絶景は、この世のものとは思えないほどの壮大な美しさを放っていました。

雪の竹田城と雲海 - 一雪の竹田城と雲海 - 二

雪の竹田城と雲海 - 三竹田城からの雪の風景

一面銀世界の城の遺構。青空。雲海。朝陽の輝き。その全てが凝縮された景色が眼前に広がるところを見た時の感動は、汗をかきぜーぜー言いながら登ったことなど、悴むような寒さなど、一気に忘れ去ってしまうくらいでした。

竹田城の歴史は室町時代から。当初は太田垣氏によって統治されましたが、その後戦国の群雄割拠の時代に、織田と毛利の対立が深まる中で、その拠点として竹田城を攻略。羽柴秀吉の弟、羽柴秀長が一時的に城代となります。その後も何度か太田垣氏と攻防を繰り返し、最終的に織田方が攻略。太田垣城は滅亡します。
その後は、秀吉方の武将である、桑山重晴や赤松広秀が入場し、赤松広秀の代で竹田城は完成します。しかし、秀吉の死による豊臣方の衰退、関ヶ原の戦いによって西軍は敗退。城主・赤松広秀の切腹と、徳川家康の命により、竹田城は廃城。石垣をはじめとするいくつかの遺構を残したまま、現在に至ります。

それから時を経て、映画『天と地と』のロケーションが行われたり、世界遺産『マチュピチュ』のような景色を東洋でも見ることが出来る、というような触れ込みから、話題が膨れ上がりまして。機会を得て、ようやくそのお目通りが叶った瞬間です。

雲海は、秋から冬にかけての早朝、その前日に雨か雪が降った後の、湿気を含んだ空気が急に冷え込む、という、かなり限られた条件が整った時にのみその姿を見ることが出来ます。大抵は、太陽が昇り切る朝8時くらいには、その姿を消してしまうのですが、この日は思った以上に長く、8:30くらいまで雲海の壮大な景色を見ることが出来たと思います。

雲海が消えかかるまで、手の指先なんかだいぶ冷え切ってしまいましたが、またとない機会でしたので、しっかりと目に焼き付けていきました。



竹田城 (Takeda Castle)
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2011/12/23

[Travel Writing] 山陰~山陽道の雪巡り - 鳥取・岡山編

『冬』という題材を写真に収める時、それを如何に分かりやすく伝えることが出来るか、それを考えると、最も単純に分かりやすいのが、『雪』と『氷』です。いずれの県、いずれのスポットに行くにしても、撮影をする時は必ず『時間』の概念を入れる様にしていまして、朝・昼・夕・夜は勿論、春夏秋冬も出来る限り入れる様にしたいと思っています。
空間を横軸、時間を縦軸にする写真撮影と、それらで構成されるアルバム、僕の中の一つの欲求であり、命題でもあるのですが、如何せん、思うとおりに行かないのが世の常。そしてその最たる例が、『雪』であり『氷』であるのです。
近場であればまだしも、遠方はとても難しい。桜や紅葉は、だいたいその時期が決まっていますので、割と予定が立てやすいです。しかし、雪はいつ降るかわからない。積もるだけの降雪があるかどうかも分からない。それでも、自分の望む写真を撮りたいがために、逐一天気予報をチェックし、そのための旅を計画・実行するに至ります。

鳥取~津山も、そんな計画の下で訪れたところではあります。が、景色そのものは確かに素晴らしいんですけれど、自分の望む写真を撮る、という意味では、やはり不発に終わってしまった感が否めません。

仁風閣 - 一仁風閣 - 二

津山城城東町並み保存地区

夜行バスで鳥取に向かい、降り立った時、ものの見事に晴れていたんです。昨日まで降っていた雪が嘘のような晴れ…
まぁ、それでもいいですけれどね、と思いながら、朝の鳥取市内を散策していたところ、突然、猛吹雪が! 一瞬にして地面が真っ白になり、「お、これは絶好の雪化粧撮影がいけるか!?」と思ったまでが良かった。猛吹雪も10分そこらで止み、降り積もった雪も大部分が融けてしまい、折角の雪化粧撮影も、少し消化不良気味に…
また、雪が降ったのは午前中のほんの十数分だけ。残りの時間は、雲が切れ、晴れ間が見えていました。通常の観光であれば、それはそれでスムーズに楽しむことが出来たと思いますが… まぁ、地元に住んで逐一観察でもしない限り、雪の撮影は本当に難しいことが良く分かります。

そんな感じで、津山市を訪ねた際も、真っ青な空を拝むことが出来たのです。冬の冷たい空気にさらされながら、人もまばらの津山城を散策するには絶好の陽気だと思うのですが、まぁそれでも、当初の目的ではなかったのが少々残念なところ。
そう言えば、鳥取から津山への移動中、中国山脈へ向かえば向かうほど、吹雪の強さが半端なくなってきているですけど… やっぱり、雪化粧の撮影は山間部が狙い目か…

しかしそれはそれとして、折角鳥取・津山に来たのですから、時間の許す限り、特に鳥取は初めてのため、ゆっくりと市内を散策しました。残念ながら、鳥取砂丘まではいっていませんので、機会を見計らって、ゆっくり回っていきたいと思います。



仁風閣 (Jinpukaku) 津山城 (Tsuyama Castle)
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2011/11/19

[Movie] コンテイジョン

Contagion

【名】
1. 接触伝染(病)、感染、伝染(病)、病原菌
2. 悪影響、感化



自然災害にしても、伝染病にしても、限定された地域によって引き起こされた事象であり、他に避難場所、逃げ場所があるのであればまだしも、世界中、いや、地球上のどこにでも引き起こされた事象であって、宇宙空間にでもない限り、逃げ場所が無いような事象が発生したらどうなるか     
これは、それを実写化した作品。それも、出来る限りリアルに、今まさに現実空間でも起こり得そうな事象として描いている。

一番最初の映像が、『2日目』から始まる、というのがまた面白い。何らかのウィルスに感染した女性の病状が重くなり、次第に衰弱し、死に至る。その女性と何らかの形で接触した人も、さらにその接触した人が、さらに… という風に、ウィルスは爆発的に広がる。現在のテクノロジーは、船舶どころか、航空機による人の往来も簡単に行うことが出来るため、曾てのペストやチフス以上の広がり方を見せ、地球上であればもはや逃げ場所などどこにも無くなってしまうだろう。
そしてそうなった時、人は、まず『自分こそ』が助かるように行動する。相手が、友人であろうが恋人であろうが家族であろうが関係ない。全ては自分の、いや、自分『だけ』のためだ。そして人は、自分が今すぐにでも助かるためなら、それが何であろうと、十分な検証が行われていようがいまいが関わらず、我先に手を伸ばす。自分『だけ』が助かるための『何か』を手に入れるためならば、どんな手段をも厭わない。

「人間は、考える葦である」「人間は理性を持った唯一の動物」
そんな風に言われ続けていたとしても、やはり根幹は動物。自分の生命が危機に瀕していると知れば、どんな暴力、どんな略奪もしてしまうだろう。動物的本能の持つがままに。
しかし、それはそんな事態になることに対する警鐘を鳴らしているわけでもなく、そのウィルスを根絶しようとするための医師や薬剤師の奮闘記を描いているわけでもない。これらはあくまで物語の構想の一つに過ぎない。危機に直面した人間がどのような行動に出るのかを、ただ、淡々と表現するためのものだ。そう言う意味では、冷静に沈着にことを運び、ただ人を助けようと諸所奔走する者、己だけが助かりたいがために略奪を繰り返す者、守るべきもののために敢えて暴力を手にする者など、危機に対するありかた、自分の考え方、そこから出る行動が、その者の『人間性』として顕れている。


パンデミックそのもの、というより、人間の本性をリアルに、且つ暴力的に表現した、非常に興味深い作品の一つと言えよう。但し、こんなパンデミックが、現実に起ってほしくないとは考えるが。何せ、日本人にとってみれば、東日本大震災から、まだ間もなく、今も尚、疲弊の爪痕がそこかしこに残っているのだから…

そして、物語の最後に、ようやく『1日目』が明らかになる。本当の感染源は何か。『第1日目』を最後にして、全ての事と次第を見納める、という表現の仕方も面白い。



2011/11/14

[Movie] 三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

アレクサンドル・デュマの冒険活劇『三銃士』の映画化作品。これまでにも何度か映画化されていますが、それは17世紀のフランスやイギリスを出来る限り忠実に描写したもの。本作は、『ライラの冒険』よろしく、まるでパラレルワールドでもあるかのようなスペクタクルな世界観(勿論、『三銃士』そのものが架空であるのですが…)。単純に『三銃士』の物語をそのまま映像化したに囚われず、如何にそれをエンターテインメント作品に仕上げるか、というところに重点を置いた作品だと思います。中世ヨーロッパの世界観とは懸け離れていますが、懸け離れすぎているわけではないところも見所。有り得ないけれどもしかしたら有り得たかもしれないところが、本作の世界観の魅力、というところでしょうか。

また、そんなスペクタクルな世界観にプラスして、各キャラクターのアクションシーンの数々。特に、ミレディに扮するミラ・ジョヴォヴィッチが、アンヌ王妃の部屋に忍び込む時のシーンなんか、まんま『バイオハザード』じゃん! と見紛ってしまうくらい。しかし、それも敢えて狙って製作しているんでしょうね。勿論、リュシリュー枢機卿の護衛に対し己の腕と剣で戦う、ダルタニアンと三銃士のアクションも見逃せません。こちらも、妙に『300』と見紛うようなシーンの連続。やはり、エンターテインメント作品に仕上げるにはどんな要素も盛り込んじゃえ! 的な意気込みが窺えます。それが良いか悪いかについては別として(汗)。
それでも、全然カオスな作品にはなっていませんね。若干、リュシリュー枢機卿が王と王妃を貶めようとする描写が、少し端折り気味なところがあるものの。


本作では、ミラ・ジョヴォヴィッチの他にオーランド・ブルームも登場しています。元々彼らが出演する作品も観ていまして、それもヒーロー・ヒロインとしての作品を観ていました。この映画の公開が発表された当初はそんな役柄なのかな、と思いきや、ミラ・ジョヴォヴィッチが扮するミレディは、二重スパイの性悪女。色んな男を手玉にとっては、騙しに騙し、自分の思う通りの手の内に、まるで駒のように進めていく。一方のオーランド・ブルームはフランスのルイ13世を見下すイギリスのバッキンガム伯爵を怪演。登場シーンとしてはそれほど多くないとはいえ、その悪役ぶりは、スクリーンからでもノリノリなのが窺えます。

ちなみに、本作は3D版も公開されており、勿論、そちらを鑑賞してもいいかと思います。でも、やはり本作も元々は2Dで作成し、その後の編集で3D化にした作品であるため、3D化した時の迫力においては、『アバター』や『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』よりは落ちるかもしれません(それでも個人的には、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』よりかはいいかと思いますが…)。


2011/11/12

[Movie] ステキな金縛り

エンターテインメント作品の真骨頂、三谷幸喜監督の作品はやっぱり面白かった! というのが率直な感想です。「あー、面白い映画を観た!」という充足感は、(個人的にですが)『ザ・マジックアワー』以上だったかもしれません。
『デスノート』のような『名前を書くと死ぬノート』のように、『幽霊という見えない存在が裁判で証人台に立つ』という設定は、何ともベタな設定と思っていたのですが、それでも面白く、しかも筋道を立て、要所要所で盛り上げていくのも凄い。昨今、既出の漫画を題材にしたり、既成作品をリメイクしたりなど、ドラマにオリジナリティが欠けていると実しやかに叫ばれていますが、見渡せばちゃんとあるじゃないですか! と言いたくなります。

本作では、メインキャラクターに、これまでの三谷監督作品では、あまり、またはほとんど見られなかった俳優さん達が起用されているように思います。その分、新鮮味があるように受け取りましたが。あ、西田敏行さんはもはや別格ですね。勿論、佐藤浩市さんや唐沢寿明さんなど、おなじみの顔がカメオで出演。ここらへんはもはや定番ということで。
割と真面目だったり、落ち着いたキャラクターを演じている印象を受ける、中井貴一さんや、市村正親さん、竹内結子さんも必見です。固定化された役柄という印象を打破し、コメディ作品でも光っていました。特に、中井貴一さんの、死んだ愛犬の幽霊があの世から(一時的ですが)現世に戻り、その愛犬とじゃれ合うシーンが一番印象的です。傍から見ればエアドッグ(笑)。幽霊が見えない人たちからすれば、「一体何やってんの?」的なところに、爆笑してしました。
勿論、幽霊が証言台に立つ、という作品ですから、大元の事件があるわけです。が、その事件のオチも秀逸。冷静に考えればこれほどあっさりした法廷闘争もない、とお思いでしょうが、そこに漕ぎつけるために、実在の人物も既に亡くなった人物もあの手この手で色んな策を練って法廷闘争に挑む、その過程が面白いんですね。

また、本作では、所々で三谷監督がフィーチャー映画作品の要素が盛り込まれているそうです。と言ってみたものの、それを細かく紹介できるほど私は映画に詳しくないですし、パンフレットを見て「ああ、なるほど!」と後付けで思ったクチですので、大声で通ぶっているように「実はこのシーンでこの映画が云々」とは申し上げられません。ですので、ここは、皆様ご自身でご確認下さい…


『ザ・有頂天ホテル』でも『ザ・マジックアワー』でも、ラストのシーンはこれまでの登場人物が(ほぼ)総出で、ラストらしく賑やかなシーンが繰り広げられますね。今作ではちょっとしっとりめ。全編が笑いに包まれていますので、ジンワリと来るラストかと思いますが、勿論、そこでも笑いの要素は欠かせません。
また、本作の主題歌は、深津絵里さんと西田敏行さんがユニット組み、KANさん、中井貴一さん、阿部寛さん、小林隆さんが『法廷ボーイズ』としてコーラスを担当しています。凄いきれいです。こちらも聞き漏れなさいませんよう!


2011/10/15

[Movie] はやぶさ/HAYABUSA

小惑星探査機『はやぶさ』が、2010年6月に地球に帰ってきたニュース。日本だけでなく、世界中がその瞬間を固唾を飲んで見守っていました。月より遠い天体からサンプルリターンするという、前代未聞の偉業。その瞬間、『突飛もない理想』とか『夢物語』と揶揄された事業が、一つの『実績』となりました。
世界を席巻した『はやぶさ』プロジェクト。ニュースにも感動的に取り上げられたことから、方々な面で『映画化決定!』と言わしめられ、そして映画化になったのですが、

主演:渡辺謙 監督:瀧本智行
主演:竹内結子 監督:堤幸彦

と、同じ題材なのに主演が2人存在する別の作品があるのは何故?
しかし結果としていずれの情報も本当。それどころか、他にも『はやぶさ』を題材とした作品があり、しかもリメイクでも何でもなく。ほぼ同時発表で、同じ題材の作品を2つも3つも公開する、というのは、極めて珍しい状況なんでしょう。それぞれの作品を見比べて、その作品がどのようなテーマを置いて製作されているのかを堪能するのも、面白いかもしれません。


『はやぶさ』プロジェクトの映画作品の第1弾とも言うべき、『はやぶさ/HAYABUSA』について。
本作の主人公である、竹内結子さんが演じる水沢恵は、架空の人物。天文物理を専攻しているものの、それが本当に自分が心からやりたいことなのかを見いだせず、ふとしたきっかけで『はやぶさ』プロジェクトに関わり、打ち上げから帰還までの一連に関わりながら、様々な研究者・スタッフと触れ合い、叱咤激励を受け、自分の本当の道を見出す、というストーリー。
というわけで、本作はどちらかというと、『はやぶさ』プロジェクトは話のタネで、満身創痍になりながらも無事帰還を成し遂げた『はやぶさ』を目の当たりにしながら、自分が成長の道を見出す、というのが主眼の物語です。
『話のタネ』と申しましたが、別に単なる物語を盛り上げるための道具に過ぎないわけではありません。『はやぶさ』もキャラクターの一つです。単なる製作者の『想い』を込めた実験装置として一方的に『はやぶさ』打ち上げたのではなく、何度も苦難の道を歩みながらも帰還のために奮闘した『はやぶさ』の姿に、それを製作した側の人間の方が『想い』を吹き込まれる。そういったことから、『はやぶさ』にも人格を持たせたのだと思います。

『人』対『モノ』という、一方的で支配従属的な関係ではなく、『人』対『人』のように、お互いが影響し合う、というのがこの作品のコンセプトなのでしょう。
だからなのかもしれませんが、『はやぶさ』プロジェクトの苦労話や成功秘話、チームの結束感、仕事としての充実感を作品から味わいたい、という視点では、少し物足りないのかもしれません。また、水沢恵は架空の人物。さらにその架空の人物が、『はやぶさ』プロジェクトに関わる博士課程の大学院生で、非常に行動な天文物理学を習得しているにも関わらず、彼女が登場する場面の多くが、広報に使用する絵や文章を書いたり、写真を撮ったりと、おおよそ科学者の行動っぽくないところが、拍子抜けするところではないかと(広報の仕事は勿論重要なのですが、『はやぶさ』の絵ばっかり描いてるシーンが連続するのはちょっと… というのが率直な感想)。
とはいえ、ボロボロの状態でも最後の力を振り絞って地球の姿を撮影し、大気圏に突入して燃え尽きる様は、やはり何度見ても感動ですね。