2014/09/29

[Travel Writing] 初秋の関西の旅 - 京都編

何かの旅番組だったと思うのですけれど、そこで伊根の街が紹介されていて、その独特の街並みに一目惚れ、是非とも行ってみたいと思い、この旅を計画しました。 ←いつものパターン

それにしても。
京都駅を5:30に出て、電車に乗って宮津駅に到着したのが8:30。そこからバスに乗り換えて伊根に到着したのが9:30。約4時間の旅。と、遠い… (´д`)
ちなみに車でも約3時間。天橋立よりさらに北にあるのは知っていましたが、まさかそれ程までに時間を要するとは… (´д`) 翌日の予定や宿泊のことを考えると、滞在時間は6時間くらい。伊根の街並みを散策するだけであればそれでも十分かと思いますが、さらに近隣のスポットへ足を伸ばすとなると、全く以て足りません。ですので、そういったスポットを含めて、ゆっくりと散策するのであれば、伊根で宿を取り、そこで一泊されることをお勧めします。

しかし、『伊根の舟屋群』だけであれば、極端な話、関西圏の方であれば日帰りでも十分堪能できます。流石に関東の空は無理があるでしょう。特に電車などで移動される方は、それこそ滞在時間は2~3時間程度になってしまうかもしれません。 (´∀`;)




昨日の飛鳥路に引き続き、この日も絶好の晴れ。しかも風もそれほど強くなく、終日穏やかな1日を過ごすことが出来ました。
何よりも驚いたのが、日本海側、ということもあるのでしょうけれど、海の透明度の高さ。伊根湾の底の浅さも手伝っているのかもしれません。それでも、この透き通るほどの水の青さは、目を見張るものがありました。単に舟屋群の建物を見て眺めるだけでなく、そこに生きる人たちが、如何に海を愛し、海と共に生活しているのかが分かります。

ちなみに舟屋群も、単に歴史的建造物として保存されているのではなく、ほとんどの家屋では今でも現役。普通に生活拠点として使用されていたり、家は別のところにあるものの、漁のための小舟のガレージとして使用されているところもあります。
多くのところで、舟屋と舟屋の間に狭い道があって(そのほとんどが車は通れないし駐車も出来ない)、そこを通ってガレージ側に入り、海側から舟屋群を見る景色もまた格別です。
勿論、観光遊覧船に乗って、海の上から見る、というのもありますね。様々な角度、様々な視点で、舟屋群の姿を見、そしてその歴史を垣間見る、というのもいいかもしれません。



そして、こんなにいい陽気であるからか、思い思いに穏やかな休日を楽しむ人もちらほら。釣りをしたり、絵を描いたり、あくせく動く回る僕とは大違いww
基本的に、ここは都会のように、色々なものが目まぐるしく変わるところではありませんから、そんなスローな環境を身体いっぱいに染み込ませて楽しむところだと思います。だからこそ、あまり日帰りは適さない、ゆったりのんびりと過ごすには、少なくとも1泊することは欠かせないところでしょうね。 ^^

漁業の街として、連綿と紡いでいった歴史と伝統、そしてそれらが生み出す長閑でのんびりとした雰囲気。それこそが、伊根で味わえる最大の魅力なのかもしれません。

2014/09/28

[Travel Writing] 初秋の関西の旅 - 奈良編

Google+で素晴らしい初秋の飛鳥路の写真の数々をアップしてくださる方がいて、それを見て旅情が募り、そして実際に現地に行くために行動を起こす… まぁいつものパターンでございますが、そんな自身の願いを叶えるべく、9月の終わり、遅い夏休みを取得して関西へ旅立ちました。
飛鳥路の旅の前日、その写真をアップしてくださる方とお会いし、見所をチェック。一通り教えてもらったのはいいのですが、飛鳥の南、高取町にある、日本100名城の一つ『高取城』に行きたい、と自己申告したことが、運命の分かれ道でした。もしこの選択をしなかったら、もう少し違った飛鳥路を堪能できたかもしれませんが…

実際、飛鳥路の観光ポイントは、自転車で1日で悠々と廻れるくらいのところに点在しているのだそうです。そこに『高取城』を加えると、飛鳥路でもいくつかは回れないかもしれないし、不完全燃焼になるかもしれない… そんなリスクを承知の上で、さらに欲張り全開の旅程を組んだのですから、旅が終了した時の疲労感たるや、押して知るべしでしょう。それでも、回りきれなかったところがあることの後悔もある、というのですから、いやはや、どうしようもありません… (´д`)



レンタサイクルには、普通のママチャリと電動アシスト、そしてロードバイクがあります。当初はロードバイクを借りる予定でしたが、それは飛鳥駅には置いておらず(石舞台古墳のステーションにはあるらしい)、その後の体力温存も兼ねて電動アシストを借りることに。
そしてまずは、他の場所など意にも介さずに、ひたすらまっすぐ高取城へ向かいました。

高取城への道のりは、思ったほど坂の傾斜が厳しい! 途中の壷阪寺までは、もしかしたらママチャリでも何とかいけると思います(それでも、壷阪寺に行くことだけを目的としていることが前提(多分))が、そこから先は、よほど鍛えていないと無理でしょう。途中、乗り慣れていると思われるロードバイクのライダーとすれ違いましたが、急こう配でやはり思うように前に進めないように思いました。午後を中心に飛鳥寺を見て回りますので、体力温存のために電動アシストを借りたのは正解だったと思います。
え? ロードバイクでの挑戦? ははは、それは、まぁ日を改めて… (´∀`;)

大分県竹田市の岡城でも思いましたが、何故こんな高いところに、これだけの素晴らしい石垣を築くことが出来るんだろう… と、感嘆せずにはいられませんでした。当時の建築技術の高さに驚かされるばかりです。木々が鬱蒼としていましたので、眼下が見づらかったのですが、高取城から臨む飛鳥の街並みも、さぞ美しいことでしょう。しかもこの時期は、ちょうど稲穂の実も黄金色に変わりつつある時期。まるで、天空から黄金色の海を見るかのような感じかもしれません。


高取城を降りて、飛鳥路を巡る前に壷阪寺へ。しかしこれがかなりの誤算。壷阪寺、結構境内が広い。そして見どころも多い! (゜д゜) 時間配分を間違えて、ついつい、長居してしまいました。いい意味でも、悪い意味でも。
何せ、当初は壷阪寺は通過点にすぎなかったのですから。やっぱり実際に足を運んでみないと、その場所の魅力と言うものは分からないし、語るに乏しいですねぇ。

ご存じのとおり、仏教は中国を経由してインドから日本へ伝わりました。この壷阪寺は、そんなインドとの国際交流を非常に密に行っている寺の一つ。それゆえ、境内にはインドゆかりの品々や、インド在住の彫刻家が寄贈した品物も数多く展示されています。今は、インド人の多くを占めるのがヒンドゥー教ですが、ヒンドゥー教は仏教にも密接に繋がる部分があります。もちろん、そのことを示す品々もあります。日本の仏教の寺なのに、まるで東南アジアの寺院に迷い込んだかのような、そんなエキゾチックな側面を見せるお寺です。

飛鳥路へ向かう前に腹ごしらえ。それと同じく、壺阪山駅界隈の古い街並みも散策。
古い町並みは、今では現代風の住宅に姿を変えているところがおおくあるものの、ところどころで、江戸から明治の情緒がほんのりと感じることが出来ます。


さぁ、そうこうしているうちに本当に時間が無くなってしまいました。
飛鳥路に来たのであれば、本来であれば石舞台古墳に行きたいところ。なのに今回の旅ではその主要スポットを素通り!! あんまりやらない… というか、普通はやらない。やはり見どころは押さえておきたいところ。なのに素通り。理由は時間が無いから。 (´;∀;`)
後で、事後報告を兼ねて、今回紹介していただいた方に話をしたら、「それは次もここにやってくる口実だよねっ (^o^)」とのこと。ああ、悟られてしまった気分… (´∀`;)

あ、でも飛鳥寺はちゃんと押えました!



今年は、例年になく秋の入りの時の気温の低下が早かったためか、彼岸花の咲くタイミングも早かったように思います。そのため、文字通り『暑さ寒さも彼岸まで』の時が一番の見頃。残暑が厳しい時には、9月末から10月の頭くらいに咲き誇っていた彼岸花も、9月末には多くが色褪せ、半分くらいが既に見頃を過ぎ、あとは朽ちていくのみの状態でした。
ただ、今回紹介してくださった方も、「朽ちゆく瞬間が一番美しいかもしれない」ということを仰っていました。確かに色は褪せていたものの、最後の最後まで、その焔のような赤色を発し続けている、というのは、生命の輝きを最後まで絶えず燃やし続ける、という意味にも繋がるのかもしれません。

今回は、ちょっとタイミングを逸したように思いますが、これはこれで素晴らしい体験だったと思います。今度は、ちゃんと見頃の時に、また訪れたいと思います。 ^^

2014/09/07

[Travel Writing] 初秋の北東北の旅 - 岩手編

弘前を後にして次の目的地である、岩手県久慈市へ。弘前から青森に出て、新幹線ではなく青い森鉄道に乗ってのんびり揺られながら八戸へ。八戸線に乗り換え、終点の久慈に到着し、そこで一泊。
ご存じのとおり、久慈市は2013年度上期の連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台。社会現象にもなったこのドラマの人気は今も衰えることなく、観光客を久慈に引き込んでいます。ドラマでは、架空の市『北三陸市』となっており、随所で過疎化が進む地方都市の状況を描いていますが、実際にこの街に来てみると、そんなことはありません。久慈駅を中心に結構賑わってまっせ!
それでも、夜になれば昼の賑わいもかなり潜め、スナックのネオンがひっそりと輝いています。弘前からの移動は流石に疲れましたので、あまり散策もせずに、チェックインしたホテルのお勧めの居酒屋さんで一杯。なんとその居酒屋さんの従業員の方、『あまちゃん』のエキストラとして出演されていたんですって。既に放送終了してから大分時間も経ちますが、今も興奮さめ止まぬ、といった感じで、当時の体験を話してくださいました。 ^^



翌朝は観光案内所で自転車を借りて市内をぐるぐる撮りながら回ることにしました。
観光案内所は、三陸鉄道の改札のすぐ脇にあり、さらにその改札口のスペースには、三陸鉄道に乗る時は欠かせない『うに弁当』の販売所がありました。
が。観光案内所に到着した8:30の時点で既に完売の札が。ちなみに販売員の方に聞いてみると、「朝6時の時点で長蛇の列が出来ていて、その日の販売分がその時点で完売」ですって!!

うっひょー………

この時点で、ドラマが終了して1年近くが経過しているのに、まだまだ人気は衰えていないんだなー… と実感した瞬間でした。


自転車を借りてまず向かったのが、『あまちゃん』のメインの舞台である、『北の海女』の活動の場である小袖海岸へ。500円の見学料を支払い、いざ、久慈が生み育んだマーメイドたちの実演へ。



初めて見た海女さんの実演。
恥ずかしながら、当初は、やはり物珍しさ、ドラマの舞台の追憶をなぞるため、という目的だったんですけれど、そんな矮小な思いが一気に吹っ飛んでしまうくらい、見入ってしまいました。特にベテランの海女さんは、垂直にスーッと潜っていくんです。波もほとんど立てずに。まるで海と一体になったかのように。実演のために整備された海岸で行うわけですから、海も綺麗。それだけに、潜った時の姿もよく見えます。本当に見とれるくらいに泳ぎが綺麗なんです。

獲れたウニは、その場でさっと洗い、捌いて中の卵巣を取り出して食べます。僕はウニはそれ程好きな方ではないのですが、それでも獲れたてとなると、食べずにはいられなくなります。 ^^;
海女さんと漁業組合の方曰く、暑い夏も過ぎ、涼しくなってきたこともあって、ウニも少し小ぶりになり、味も甘さが抑え、しょっぱさが引き立つようになった、とか。甘いウニを堪能するには、真夏に獲れたウニが一番なのだそうです。とはいっても、その時は夏休みのため、9月初旬とは比べ物にならないほどの人出でしょうね。 ^^;

その後は、小袖海岸の船着場の観光ボートに乗って、三陸海岸の海上散歩に。



三陸海岸は、小学校の社会で勉強しましたが、こうして目にするのは初めて。海から見るのも、陸から見るのも、その独特な地形は目を見張りますね。太平洋の海と風によって浸食した岩、海底からの岩の隆起。当初はそういった地形について、知識としてあったものの意識にはなくて、専らドラマのことが頭に会ったのですが、ドラマの光景と同じく、この旅において僕の心を掴みました。
特に、観光ボートに乗ると、『あまちゃん』のオープニングに登場するいくつかのシーンを、船頭の方が解説してくださいます。ちょっとした、ドラマの知られざる一面を垣間見たような気がします。



小袖海岸の後は、滝ダムを経て『琥珀博物館』へ。文字通り、琥珀色の美しい石が勢揃い。
初めて知ったのですが、琥珀って比重としては結構軽い方なんですね。確かに水に漬けると沈みますが、塩水に漬けると(濃度に寄りますけれど)浮くんだそうです。最近は琥珀の模造品も多く出回っているのだとか。そういったことを見分けるための一つの手段として、用いられているのだそうです。確かに、手にすると思った以上に軽かったです。

そして、何よりも個人的に今でも謎なのが、虫入りの方が値段が高い、ということ。その値段の高さとは、宝石としての価値なのか、考古学的な価値なのか… 多分、後者だと思うのですけれど。
何せ、琥珀は木々から出る樹脂が固まったもの。粘性も高く、虫であればひとたまりもなく取り込まれます。中には蛙等の小動物が取り込まれた事例もあるとか。つまり、虫はその時代の様子を環境や様子を研究する上で非常に貴重な史料になるわけですね。
だから、あくまで考古学的に価値のあるものだと思いますが… あまりそこら辺は詳しく説明しておらず、もしや宝石の側面でも値段が高いのか… と訝ってしまいました。 ^^;


ご当地料理に、海女に、三陸海岸に、琥珀にと、侮ることなかれ、見所なんていっぱいある久慈。これからも、たくさんの人が足を運ぶような、素敵な街でいてほしいと願っています。

2014/09/06

[Travel Writing] 初秋の北東北の旅 - 青森編

江戸時代より現存する天守や石垣などの設備は、当然100年単位で風雪に晒されるわけですから、痛みや損傷はその分深く蓄積されるわけです。ですから、定期的な数年がかりの大改修は当然のこと。姫路城も5年以上経過して、ようやく改修後の全容がお目見えになりましたね(本格的な営業開始は2015年春以降)。
弘前城でも、石垣の歪みが生じたため、10年近くの計画で大改修に入ることになりました。2014年11月頃から、天守を囲む堀を埋め、しばらく天守を別の場所へ移動させ、石垣の補修にあたる、というもの。よく、天守と桜の共演の写真を見ることがありますが、2014年の春を以てしばらくお預け。11月以降は堀も埋められ、工事用の幕なども張られるでしょうから、今の弘前城の姿を目に焼き付けておくのは、このタイミングだ、と思い、弘前の街撮りPhotowalkを兼ねてやってまいりました。



夏が終わったばかりということもあって、東北の紅葉は流石にこの時期はまだまだ。それでも、連日の暑さからか、弘前城の園内の緑も、夏の濃緑は形を潜め、ちょっとくたびれた様子。でもそれが、初秋の抜けるような空の青と高さに、妙にマッチしているように見えます。
また園内を彩る花々も、夏を代表するヒマワリはまだ咲いていましたが、どちらかと言うとサルビアのような晩夏~初秋を代表するような花が咲き誇っていました。この時期、残暑の残る東京などではまだまだ夏の花が最盛期というところもあります。東北はちょっと秋を先取り、という感じですかね。 ^^




実は弘前に来たのは2回目。1回目は、2006年のゴールデンウィーク、つまり桜が園内を咲き誇っている時に来ました。って、言ってるそばから、あれから8年かー、と思いを馳せるワタクシ。その時も晴れていて、天守の展望室から臨む、桜の海と岩木山の光景が印象的でした。
その時訪れたのは弘前城公園のみでしたので、今回はレンタサイクルでもうちょっと先の方まで。『藤田記念庭園』と『弘前市りんご公園』へ。特に『弘前市りんご公園』は、前回行きたかった、と思っていただけに、今回足を運ぶことが出来て、晴れてその念願が達成できたと言えます。

弘前市りんご公園は、弘前市街地からやや離れたところにあり、近隣には高い建物どころか家屋もほとんどなかったので、広々とした庭園と、高く、そして初秋の広がりを見せる青空をいっぱいに感じられるところでもあります。
りんごの本格的な収穫には、この時期はちょっと早かったと思います。それでも、一部の品種では既に実を真っ赤に実らせ、まさに食べごろ、という感じでまるまると実を太らせていました。申込制で収穫体験が出来ます。弘前のりんご、是非ともご賞味あれ…! ^^