2013/04/06

[Travel Writing] Journey to follow the cherry blossoms - 龍野編

「ここは、片平なぎさ主演の『赤い霊柩車』のロケでも使われましてねぇ」

という、観光協会の人の案内でグサッと来たワタクシ。
ええそうですよ、たつの市に来たのはドラマが影響ですよ悪い!?

……コホン。取り乱しました。
まぁ今更そんなことを体面整えても仕方ありません。確かにきっかけはドラマですが、そこから色々と龍野を知りたい! と思うようになったのは事実です。 ^^


降り立った姫路駅では、今にも雨が降らんとする空模様。青空の下でのPhotowalkは今回は無理だな… 雨は雨で楽しめるのですが、如何せん桜の季節。花が散ってしまわないかが心配です。満開になって少し日が経っただけに…



とは言え、雨風もそれほど強くなく、一気に散ってしまう、ということはなかったので、胸を撫で下ろした次第です。
播磨地方の要所の一つである龍野城は、同時に桜の名所でもあり、現在は公園として整備されているそこは、華やかなピンクで彩られていました。現存する遺構は石垣のみで、写真などでよく見る隅櫓は復元したもの。本丸御殿も30年ほど前に再建されたものであり、往年の面影は殆ど残っておりません。それでも、4月の上旬には武者行列が街を練り歩くなど、ところどころに、街を伝統を守っていこうという気概のようなものがあります。残念ながら、たつの市は土曜日のみの滞在で、翌日の日曜日に開催される武者行列を見ることが出来ませんでしたが…

城だけでなく、江戸後期~末期から伝わる武家屋敷もあり、現在は資料館として、当時の暮らしぶりや家具等が展示されています。戦国から江戸時代の、古き良き面影を感じることが出来ます。


また、たつのと言えば、童謡『赤とんぼ』が生まれた土地。その縁もあってか、童謡の街としても有名です。何より、その童謡の生みの親である三木露風の生誕地であるため、たつのは文学の街としても名を馳せています。龍野城界隈の古い町並みには、小さな文学資料館もいくつかあります。今に伝わる、たつのが産んだ嘗ての文学界に名を連ねた文壇たちの生活や作品の生まれた背景などを、そこで垣間見ることが出来ます。
少し歩き、龍野神社~龍野公園の奥の方、国民宿舎の方へ行くと、たつのの市街を見渡せる展望台となる丘へ登るところがありますが、そこが『童謡の小径』と呼ばれる場所でもあり、歩いていると、どこからともなく童謡が聞こえてきます。どこか懐かしく、優しい雰囲気になる、散歩道です。晴れていれば、丘から見えるたつのの眺望は素晴らしいものだと思うのですが、生憎の空模様で、雨も降ったりやんだり、時に強い風が吹きますので、写真撮影は断念。また、雨風を凌ぐため、屋内の施設に移動することにしました。



そして忘れてはいけないのが、食文化の街でもある、ということ。代表的なのは、たつの市に流れる揖保川の名前を冠した『揖保乃糸』ですね。昼食ににゅう麺を食べました。 ^^
その他、たつのではうすくち醤油の生産としても名を馳せています。代表的な企業が、たつのに本社を置く『ヒガシマル醤油』。工場もありますね。訪ねた『うすくち龍野醤油博物館』では、江戸時代から戦前までの醤油の生産工程とその時に使われた道具、宣伝ポスターに至るまでのものが展示されていました。今も昔も、日本の食卓を守ってきた土地でもあるのですね。

歴史的建造物や童謡・文学、そして食文化に至るまで、魅力満載の土地であるにも関わらず、何となく寂しい印象を受けたたつの市。武者行列の日であれば、その様子もガラッと変わり、賑やかになるのかな? 雨だったから、それほど人が多くなかったのでしょうか?
個人的には、その方がスムーズに方々を見て回ることが出来るとはいえ、素敵な街であるにも関わらず、あまり注目度が高くない、というのが残念なところでもあります。う~ん…
ま、まぁ、食品加工の工場見学も、人気なところと言えばビールや乳製品ですし、醤油は毎日の食卓に欠かせないとは言え、調味料の一つですから、どこか陰に隠れがちなのでしょうかねぇ… ^^;

たつの市のPhotowalkの後は、電車を乗り継いで岡山へ。SNSで知り合った方々と、焼肉を頬張りました。



龍野城 (Tatsuno Castle)
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