2012/04/07

[Travel Writing] 西日本桜紀行 - 鹿児島編

梅の開花が最大で1ヶ月も遅れたというのに、あれよあれよと暖かくなって、桜の開花は平年並み。しかも昨年よりも2~3日早め、という情報が。それを見越して、少し遅めの桜紀行を設定したのに、もしかしたら散ってしまうのではないか、と、半ば戦々恐々としておりました。出発前から、出鼻を挫かれる羽目になるのではないか、と… ^^;
そんなわけで、ドキドキしながら鹿児島空港に到着。一路、最初の目的地、仙巌園へ。

仙巌園より桜島を臨む仙巌園の春

何とか間に合った、というところでしょうか。少し、桜吹雪が舞い散っているところが見られるものの、全体として見頃を迎えていた、鹿児島の桜。本数としてはそれほど多くなく、全体が桜色に覆われている、というわけではありませんが、春の仙巌園の庭園を彩る上では、申し分は全くありません。
しかし、やはり南国だからなのか分かりませんが、雲がほとんどない晴天の空を歩いていると、どんどん気温が高くなり、暑くなっていきまして… ^^; 寒暖の差が激しいですので、ブルゾンを羽織っていたのですが、日中はほぼ脱ぐ羽目になりました。
まぁ、それも旅の醍醐味、ということで。何せ飛行機による移動は、経費を安く抑えるためには、最低でも28日以前には予約しなければならない。その時、行く当日が絶好の晴れ日和だとは誰も分かりませんから。後は祈るばかりなのです。だからこそ、多少の暑さは許容範囲内。むしろ、晴天の下、清々しい空気の中で桜見物できることに、感謝します。

仙巌園は、ご存じの通り、鹿児島市内の観光スポットの一つ、薩摩藩主島津氏の別邸。鹿児島湾を池に見立てて造園され、晴れた日には、雄大な桜島が見渡せます。勿論、歴代の島津氏の邸宅『磯御殿』の中も見させていただきました。島津氏ゆかりの品々が、往年の江戸の風情を今に伝えています。
幕末の頃になると、第28代当主島津斉彬がこの敷地の一部を使ってヨーロッパ式製鉄所やガラス工場を建設するなどの近代化事業に着手。仙巌園の隣の尚古集成館では、近代工業の軌跡の展示、兵器を始め、薩摩切子のガラス細工も展示されており、薩摩が、他の藩より先んじて、近代化の道を選んだ様相が伺えます。


仙巌園を後にし、鹿児島市内へ。鹿児島城と、高見橋を基点とする甲突川の桜並木を散策しました。

鹿児島市内と桜島遠望鹿児島城の桜

天璋院像西郷隆盛像

川沿いの桜並木 - 一川沿いの桜並木 - 二

仙巌園の桜と呼応するかのように、鹿児島市内の各名所でも、桜が満開に。鹿児島城は見事でしたね。『歴史資料センター黎明館』の敷地内が、そのまま桜の公園のようになっていますので、敷物を敷くスペースはないものの、ベンチに座り、友人と一緒に話をしたり、思い思いに桜を愛でながら思いに耽っている方がいらっしゃいました。
また、仙巌園から臨む桜島も勿論ですが、鹿児島城の城山公園展望台から臨む桜島もまた、息を呑むほどの絶景ですね~… 鹿児島市内の街並みのコントラストも相成り、素晴らしいの一言です。

またご存じの通り、鹿児島は、幕末から明治にかけて、位の高低に関わらず多くのを輩出している場所でもあります。それに伴い、市内にはあちこちで、偉人たちの像や石碑を多く見ることが出来ます。歴史的解釈は、後世の歴史研究家達によって様々であるため、見方によっては、低い評価の偉人たちもいるかもしれませんが、それぞれがそれぞれの思いを馳せて、迫りくる日本の危機のために、己の身を以て実行した、という事実には変わりありません。その上に、私たちが生き、そして連綿と歴史が紡がれていくのですから。
そんな偉人たちの足跡を訪ねながら、鹿児島を探訪するのも、味わい深い旅が出来るかもしれませんね。



仙巌園 (Sengan-en) 鹿児島城(鶴丸城) (Kagoshima Castle)
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