2013/01/12

[Travel Writing] 雪の街Photowalk - 山形編

雪の街のPhotowalk。前編は、山形県酒田市。

予てから、日本を巡りその四季折々の景色を自分の脳裏に、そして身体に刻み付けたい、という希望の下、日本全国を回っておりますが、如何せん、冬の景色が多くないなぁ、と思い、雪の街歩きを計画した次第です。自分が思うような雪景色になっていない時が多いですがね… (´∀`;)
また、単純な考えで、冬ならではの景色を撮るためには、どうしても雪が欠かせない、という考えもあるんです。そういう縛りを持たせた写真撮りは、それはそれで挑戦のし甲斐がありますが、凝り固まった考えがたまに傷なところがあります。

とは言え、だから雪景色になりやすい東北を選んだのか、と言ったらそうではありません。やはり東北ならではの冬の景色があるわけですから、それをこの目で見てみたいと思ったのは事実です。今冬も、日本海側は雪に見舞われたそうですから、素敵な雪景色が見られることと思います。当地に住んでいらっしゃる方からすれば難儀かもしれませんが… (´∀`;)


日和山公園光丘神社

新井田川を進む屋形船清亀園

夜行バスで、福島から山形に入る時から、ちらほら雪が舞い、山沿いでは既に20cm以上の積雪に。そこから、山形市~鶴岡市に入ったところでも変わらずの積雪で、酒田市でもいい雪景色が臨めそうだなぁと思ったところ、予想通りの積雪でした。車通りはそこそこあるものの、人通りは多くなく、また雪によって街の音が掻き消されているため、とても閑散した雰囲気を醸し出しています。
車通りも多いのは幹線道路。一旦脇道に入ると、車は勿論人も極端に少なくなり、降りしきる雪と、それに覆われる静かな街並みだけ。動くものは、まさに歩いている自分だけ、という状態。街そのものを独占したかのような錯覚に陥ります。

光丘文庫 - 一光丘文庫 - 二

酒田市の街を歩くと、ところどころで『本間』の文字を目にします。
酒田市は、酒田港が存在する通り、港町。最上川の河口には、海洋水産や海洋センターがあり、海の幸がぎっしり詰まる市場も盛んです。加えて、日本有数の米どころでもあるため、街を離れると田園風景が一面に広がるのですが、そこの地主だったのが『本間家』なのだそうです。「本間様には及びもせぬが、せめてなりたやお殿様」という歌も詠まれるほどの栄華を誇り、本間家ゆかりの財物が、酒田市に保管されています。特に本間美術館がその一つですね。
光丘文庫も、修学のために文庫を兼ねた寺院を建てようとしたところ、時の江戸幕府はそれを許そうとしなかった。時を経て、大正時代に、光丘文庫が産声を上げ、酒田市の図書の礎を築いたそうです。
また、街中には本間家の旧邸宅が文化財として保管され、中を見学することが出来ます。毎年1月は館内展示の整備にあたるため、約1ヶ月ほど閉館なんだそうです。ちょうどその時期にあたってしまったので、中を見られず仕舞いでしたが。 (´∀`;)

映画『おくりびと』ロケ地 - 一映画『おくりびと』ロケ地 - 二

映画『おくりびと』ロケ地 - 三映画『おくりびと』ロケ地 - 四

そして、酒田市は何と言っても忘れてはならないのは、アカデミー賞外国語部門で賞を勝ち取った、映画『おくりびと』のロケ地。その中心的建物でもある『旧割烹小幡』は、割烹料理店としての役目は既に終えているものの、映画のロケ地である『NKエージェント』、いわば観光名地として、新たな一歩を歩み始めています。
中に入ってみると、映画で使われたセットがそのまま展示されており、一部は実際に触れることも出来るため、映画の世界に入り込んだかのようになります。


さて。酒田市をあとにし、青森へそのまま移動… のはずが、大雪の影響で羽越本線が全線でストップ。青森で宿を取っている関係上、何とか青森まで進めないか、かなり焦っておりました。
一応、秋田までのバスが出ており、とりあえずは秋田まで。青森行の最終電車が既に出発している時刻にも関わらず、「それに乗りたい客がいる」旨を伝えてあるため、きっと乗れるだろう… と一縷の望みに託していたのですが、秋田に着くや否や、そもそもその電車すらもストップの状態だったという… orz

結局、青森のホテルはキャンセルし、急遽秋田で宿を取ることにしました。折しも秋田駅では、これ以上進めない乗客やビジネス客でごった返しの状態。よもや宿すら取れないのでは… と心配しましたが、それは何とか取れたようです。取り敢えず、一安心。 (´∀`)



本間家旧本邸 (Homma Old Residence) NKエージェントビル(旧割烹小幡) (NK Agent Building)
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2 件のコメント:

  1. 北国の人の温もりは、この厳しい冬があるからだと思わせるような素敵な写真ですね。
    しかし、行動力には感心するばかりです。これからも素敵な旅の記録、綴ってくださいませ。

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    1. コメント有難うございます!
      今回の雪の街Photowalkでは、酒田・青森・仙台と参りましたが、一口に雪国と言ってもみなそれぞれ違う様子を見せてくれますね。この酒田は、賑やかさは遠い過去に去ってしまったかのような、素朴で、静かで、深閑とした街。おおよそ喧騒と言う言葉が似合わず、だからこそ落ち着くのかもしれません。

      旅日記はまだまだ続きます。 ^^

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