実際のところは、全体からすれば大体6割程度だろう。冬の寒波による桜の開花の遅れは、高地ほどその影響を受けやすいと見える。それでも、連日の暖かさが、高遠の桜の蕾を次々に綻ばせ、場所によっては、嘗ての栄華を忍ばせる名跡を、桜色に包んでいる。
しかも、御誂え向きのいい天気だった。長野の高地の澄んだ空気が、一層気持ちのいい雰囲気を醸し出してくれている。遥か遠くには、中央アルプスがその偉大な様相を表していた。また、山々には冠雪が残っている。やがてこの地も、暖かくなり、雪が融け、高山植物の芽も生え始め、豊かな緑の地となるのだろう。季節は確実に巡っている。そう感じさせる景色である。
高遠城址へのアクセスは、あまり良くはない。行きは、中央本線 茅野駅から(高遠駅(バス停)への路線バス)だが、朝・夕の2往復しかない。最も本数があるアクセスでは、辰野駅で飯田線に乗り換え、伊那市駅で降りる。そこからは路線バスだ。だが、路線バスも本数が少ないため、乗り継ぎが合わない場合もある。その他、新宿駅から高速バスが、約1時間に1本のペースで出ている。価格的にも、そちらがいいのかもしれない。
高遠城址公園から歩いて5分程度のところに、高遠ダムがある。
高遠城址公園の桜の方が有名なため、あまり注目されていない感があるが、それでも、高遠ダム周囲の桜も、とても美しいものだった。ただし、高遠城址公園のように、密集して植えられているわけではないので、まだ咲いていない桜もちらほら見られ、高遠城址公園よりかはそれが目立って見えていた。だが、春の高遠湖を桜色に包むには十分に違いない。
『日本第一の桜』は、何も城址公園を包むだけの桜ではない。高遠の街を覆うような桜全てがそれに該当すると言えよう。街全体の桜を堪能するため、城址公園を中心に、1日の時間をかけて散策するのもいいかもしれない。
高遠城址公園 (Takato Castle Park) |
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