2012/04/28

[Travel Writing] 東北桜紀行 - 福島編 Vol.2

 三春町には、約10,000本の桜があるそうですが、そのうちの3,000本は、三春ダム脇のさくらの公園にあるそうです。

三春ダムと桜

眼下に見える、三春ダムとさくら湖をピンク色に染める桜。三春町には、滝桜を始め様々な桜の名所がそこかしこに存在し、それらは、さくら湖をぐるっと囲むかのように点在しています。流石に今回は徒歩でしたので、全てを見て回るのは無理でしたが… ^^; さらに今回は、福島だけでなく東北(特に太平洋側)の桜を回ろうと考えていましたので、次の機会は、三春町の桜だけに絞り、自転車等で悠々気ままに回ろうかな、と思っています。

なんて考えながら歩き続けると、容赦無く照りつける太陽の光に当てられて、4月だというのに暑い! 半袖でも大丈夫なくらいです。冬の厳しい寒さは何だったのか…

歩き続け、消耗した体力を回復することと、三春ダムのことを知るために、三春ダム資料館へ。三春ダムの計画から完成に至るまでの行程や、ダム周辺の自然・野鳥、ダムの仕組みについて、分かりやすく展示されています。どちらかというと、親子連れ向けかもしれません。
その中でもやはり目を見張ったのが、ダム建設のために湖底に沈んだ集落のこと。生活を豊かにするための礎とは言え、自分が住み、慣れ親しんだ土地が、半永久的に水の底になってしまうので、さぞかし辛いものがあるのでしょう。しかし、そんな礎があるからこそ、今の私たちの暮らしがある。良しにつけ悪しにつけ。僕たちはそれをきちんと知り、その後の選択に活用する必要があるのかもしれません。


南湖公園の桜翠楽園

福島の旅は、三春町から少し南下して、白河市の南湖公園へ。
公園の大部分を湖が占め、その北側は日本庭園が鎮座する公園。湖の周囲は、桜の他に松が植えられており、さながら日本庭園のよう。
と思ったら、南湖公園は、(庶民が楽しめる上での)日本最古の公園だそうですね。今では主に釣客が多く訪れる公園となっているようです。


正直なところ、福島の桜はまだまだ堪能し尽くせていないと考えていますが、何より思ったのが、福島の人たちが、想像していたより、普通に、元気に過ごしていること。震災の悲惨さを払しょくできるとは思っていないけれど、それでも、『普通に』『日常のままに』生活していることが、ありありと垣間見ることが出来ました。
そしてそれを見て、「ああ、これはもう大丈夫だ」と思いました。それは、別に支援の手を断ち切ってもいい、ということではありません。福島の人たちは、たとえ被災していなくても、立ち入り制限区間外であっても、悲壮感を漂わせていると勝手に想像していましたから。でも、福島の人たちは、僕たちが思う以上に、強く、逞しい。それを知っただけでも、僕のこの旅は、十分だったように思います。

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