ご存じのとおり、久慈市は2013年度上期の連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台。社会現象にもなったこのドラマの人気は今も衰えることなく、観光客を久慈に引き込んでいます。ドラマでは、架空の市『北三陸市』となっており、随所で過疎化が進む地方都市の状況を描いていますが、実際にこの街に来てみると、そんなことはありません。久慈駅を中心に結構賑わってまっせ!
それでも、夜になれば昼の賑わいもかなり潜め、スナックのネオンがひっそりと輝いています。弘前からの移動は流石に疲れましたので、あまり散策もせずに、チェックインしたホテルのお勧めの居酒屋さんで一杯。なんとその居酒屋さんの従業員の方、『あまちゃん』のエキストラとして出演されていたんですって。既に放送終了してから大分時間も経ちますが、今も興奮さめ止まぬ、といった感じで、当時の体験を話してくださいました。 ^^
翌朝は観光案内所で自転車を借りて市内をぐるぐる撮りながら回ることにしました。
観光案内所は、三陸鉄道の改札のすぐ脇にあり、さらにその改札口のスペースには、三陸鉄道に乗る時は欠かせない『うに弁当』の販売所がありました。
が。観光案内所に到着した8:30の時点で既に完売の札が。ちなみに販売員の方に聞いてみると、「朝6時の時点で長蛇の列が出来ていて、その日の販売分がその時点で完売」ですって!!
うっひょー………
この時点で、ドラマが終了して1年近くが経過しているのに、まだまだ人気は衰えていないんだなー… と実感した瞬間でした。
自転車を借りてまず向かったのが、『あまちゃん』のメインの舞台である、『北の海女』の活動の場である小袖海岸へ。500円の見学料を支払い、いざ、久慈が生み育んだマーメイドたちの実演へ。
初めて見た海女さんの実演。
恥ずかしながら、当初は、やはり物珍しさ、ドラマの舞台の追憶をなぞるため、という目的だったんですけれど、そんな矮小な思いが一気に吹っ飛んでしまうくらい、見入ってしまいました。特にベテランの海女さんは、垂直にスーッと潜っていくんです。波もほとんど立てずに。まるで海と一体になったかのように。実演のために整備された海岸で行うわけですから、海も綺麗。それだけに、潜った時の姿もよく見えます。本当に見とれるくらいに泳ぎが綺麗なんです。
獲れたウニは、その場でさっと洗い、捌いて中の卵巣を取り出して食べます。僕はウニはそれ程好きな方ではないのですが、それでも獲れたてとなると、食べずにはいられなくなります。 ^^;
海女さんと漁業組合の方曰く、暑い夏も過ぎ、涼しくなってきたこともあって、ウニも少し小ぶりになり、味も甘さが抑え、しょっぱさが引き立つようになった、とか。甘いウニを堪能するには、真夏に獲れたウニが一番なのだそうです。とはいっても、その時は夏休みのため、9月初旬とは比べ物にならないほどの人出でしょうね。 ^^;
その後は、小袖海岸の船着場の観光ボートに乗って、三陸海岸の海上散歩に。
三陸海岸は、小学校の社会で勉強しましたが、こうして目にするのは初めて。海から見るのも、陸から見るのも、その独特な地形は目を見張りますね。太平洋の海と風によって浸食した岩、海底からの岩の隆起。当初はそういった地形について、知識としてあったものの意識にはなくて、専らドラマのことが頭に会ったのですが、ドラマの光景と同じく、この旅において僕の心を掴みました。
特に、観光ボートに乗ると、『あまちゃん』のオープニングに登場するいくつかのシーンを、船頭の方が解説してくださいます。ちょっとした、ドラマの知られざる一面を垣間見たような気がします。
小袖海岸の後は、滝ダムを経て『琥珀博物館』へ。文字通り、琥珀色の美しい石が勢揃い。
初めて知ったのですが、琥珀って比重としては結構軽い方なんですね。確かに水に漬けると沈みますが、塩水に漬けると(濃度に寄りますけれど)浮くんだそうです。最近は琥珀の模造品も多く出回っているのだとか。そういったことを見分けるための一つの手段として、用いられているのだそうです。確かに、手にすると思った以上に軽かったです。
そして、何よりも個人的に今でも謎なのが、虫入りの方が値段が高い、ということ。その値段の高さとは、宝石としての価値なのか、考古学的な価値なのか… 多分、後者だと思うのですけれど。
何せ、琥珀は木々から出る樹脂が固まったもの。粘性も高く、虫であればひとたまりもなく取り込まれます。中には蛙等の小動物が取り込まれた事例もあるとか。つまり、虫はその時代の様子を環境や様子を研究する上で非常に貴重な史料になるわけですね。
だから、あくまで考古学的に価値のあるものだと思いますが… あまりそこら辺は詳しく説明しておらず、もしや宝石の側面でも値段が高いのか… と訝ってしまいました。 ^^;
ご当地料理に、海女に、三陸海岸に、琥珀にと、侮ることなかれ、見所なんていっぱいある久慈。これからも、たくさんの人が足を運ぶような、素敵な街でいてほしいと願っています。
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