2014/08/25

[Travel Writing] 大地の悠久の息吹を感じる旅

庄内地方の旅が比較的良好な天候だったのは、その時点で自分の運気を全て使い果たしてしまったんじゃなかろうか、ってくらいに、次の日以降の天候は雨、よくて曇天。 (´д`)

鶴岡市で一泊し、羽越本線で南へ行って新潟へ。新潟市の時点では天気は良く晴れて爽やかだったのですが、越後線→北陸本線に乗り換え、次の目的地である糸魚川に向かう最中に、徐々に雲行きは怪しくなり、直江津に到着した時にはパラパラと雨が… orz
糸魚川か直江津か、同じような場所に行くにしても、その行き方をどうアレンジするか… というところで、僅かな時間逡巡しましたが、直江津でのパラパラ雨がほんの一時的なことだったということに気づき、そのまま糸魚川へ行くことに。



糸魚川駅界隈で自転車を借り、能生まで走らせました。
糸魚川は今回が2回目。しかもその最初が、日本海から寒風吹きすさぶ真冬。当初、日本の気象状況をよく把握していない僕は、『新潟は全域で雪が積もる』という誤った知識を持っており、この時も、雪化粧の上越界隈を心待ちにしていたものです。
が、結果は惨敗。雪どころか。それも骨身に染みる冷たい雨。何でこんな雨の中をてくてく歩いているんだろう… (´q`) と、自問自答したものです。

そして今回もあまりよろしくない天気。糸魚川に到着した当初はまだ持ちこたえたものの、翌日は昼過ぎから雨。ああ、きっと僕と糸魚川の相性ってこんなものなのかな… (´ー`) と、ほぼ諦めモードに陥っておりました。

とは言え、雨なら雨で、水と水をたっぷり含んだ空気が織りなす光景というのは、やはりその天候でないと味わうことが出来ないというのも事実でして。その最たる例が、次の日、つまりこの旅の最終週に訪れた、小滝ヒスイ峡です。


小滝川の急流の水しぶきと、それが作り出す水煙。それが、渓谷を幻想的に映し出していました。水煙があたりを包み込み、靄を形成しているからこそ、渓谷の石、森、そして急流の力強さが、一層色濃く表れているのかもしれません。
『小滝川ヒスイ峡』という名称の通り、この界隈は昔から良質なヒスイの産地で、古墳時代や大和時代、各地を治めていた豪族の装飾品に使用されたヒスイも、ここから産出されたと伝わります。そしてそのヒスイは、悠久の時を超えて、今もこの地に多く眠っています。勿論、許可の無い採掘・採取は厳禁。まぁ、ポケットに忍ばせられる大きさのヒスイは存在せず、今、この渓谷にあるヒスイは、いずれも大型クレーンでもないと持ち出せませんが。 ^^;

もう一つ興味深いのは、このヒスイ峡、規模は小さいながらも糸魚川市の観光スポットとして紹介され、洪水対策として川岸が整備されています。その整備された川岸に敷き詰められた石も、何百年前から何億年前、という、人類が誕生する以前の年代のものに分けられて敷き詰められていまして。そういった違いを見せることにより、この地が地質的にどのように変化していったのかを体験する意味も含まれているそうです。
糸魚川は、フォッサマグナの西端に位置する場所。フォッサマグナとは、ラテン語で『大きな溝』を意味し、かつてこの場所が海の底であったことを示す証拠がそこかしこに。このヒスイ峡に行く道すがらで見える、屹立する『明星山』。この山の成分の多くが石灰岩で出来ている、ということもその証拠の一つなのだそうです。しかも、その石灰岩の地層から、大量のアンモナイトをはじめとする化石が出土されたとか。ヒスイの生成も、大いなる地球上の営みから生まれ出でた宝石。一見、変哲のない峡谷のように見えるものの、そこには、何億年と刻まれた地球の鼓動が眠っているんだなぁ、と思いを馳せました。

糸魚川ジオパークは、2009年に、世界ジオパークに認定されています。


ここで産出されるヒスイが、古代の豪族のステータスになっている、というわけですから、当然糸魚川には、古代のヒスイの加工場所がありました。その遺跡群も、市街地でいくつか見ることが出来ます。


しかしここで雨脚が強くなってしまったため、『フォッサマグナミュージアム』で雨宿りを兼ねて見学。フォッサマグナを発見したナウマンの功績を始め、糸魚川とその近海の地形・地層だけでなく、連綿と続いた地層やその時代の岩石・化石などが多種多様に展示されています。
また、ヒスイと一言で言っても、産出地によって、形状は勿論、見た目や性質も結構違いますね。地層・地学好きの当方としては、非常に面白い場所です。

さて、雨はというと、帰りの時間となっても止む気配は無く、結局糸魚川は、両日ともにあまりよろしくない天気の中での街撮りPhotowalkで終了を迎えました。 (´・_・`)
初日が運が良かっただけに、二日目・三日目の分の運を使い果たしてしまった、とも言えなくもありません。 ^^;
願わくばすっきりと晴れた日に街撮りしたかった、とは申せ、こういった天候ならではの光景も見ることが出来た、という収穫もありました。1つでも収穫があったのなら、それはそれでよしとしましょう。 ^^;

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