2014/05/06

[Travel Writing] 歴史ある町探訪 - 山口編

昨日の竹原の天気とは打って変わって、この日は終日晴れ。雨の心配をすることなく、街撮りPhotowalkを行うことが出来ました。

この日の目的地は、山口県萩市。江戸時代の長州藩の本拠。そして、幕末の動乱の最中を駆け巡り、近代日本の礎を築いた偉人達の多くが、ここから輩出されています。
山口県の県庁所在地は『山口市』。新山口駅に新幹線が停車することもありますし、また瀬戸内海沿いには工場も建設されています。いわば街の活気としては、瀬戸内海に面した南側に偏っているようです。対して萩のある日本海側は、『萩市』としての活気はまだ賑わっているように見えるものの、その界隈の町は、やはり寂しいものがあります。この日は、新山口駅近くのホテルに宿泊して、バスで萩へ移動。その途中は山道を通ります。萩の街撮りの後は、電車を使って下関→福岡・北九州へ。途中、いくつかの温泉街を通り抜けましたが、やはりどこか寂しさが過っていました。
日本海側は交通の便もそれほど良くはなく、瀬戸内海側との流通の差は増す一方。折角の素晴らしい土地もおおくあるのですし、うまい具合に、日本海側とのたくさんの流通を図っていきたいものです。



晴れていたから、ということもあるのでしょうけれど、東萩駅で自転車を借りて、海岸沿いを走り始めた瞬間から、萩の街並みにすっかり虜になりました。今まで様々なところの『街』を見たり撮ったり歩いたり、その街ならではの魅力を身体いっぱいに染み込ませますが、僕個人の中で、こんなにすぐに心と身体にスーッと入った街は初めてかもしれません。
しかもそれが史跡と言う側面ではなく、漁港や海岸線といった要素。日本海の青く湛える海の色が清々しいまでに綺麗で、そしてその海と、萩の自然、漁港、海に面した史跡が代わる代わる現れては、時折一体となるかのように景色を組み立て、表現していく… そしてその海の青を基調に、自然と人工の様々な色が折り重なり、形成されていく。決してカラフルではないのですが、同様に決して飽きない。もっと落ち着いた、色も単調ではないかと勝手に思っていたのですが、少し回っただけでも、「ここは素晴らしい!」と思いました。


海岸沿いを走りながら萩城址へ行く前に、吉田松陰と杉家の菩提寺である『泉福寺』へ。そこの住職さんに、松陰と、そして彼を支えた家族である杉家にまつわる逸話を窺いました。
杉家と言えば、2015年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』の主人公、杉文は松陰の妹。不勉強ながら、杉文という女性の存在は、この大河ドラマが発表された時に知りました。久坂玄瑞に嫁いだものの、禁門の変で玄瑞が自害。その後、元は自分の姉の夫であった楫取素彦に嫁ぎ、群馬県令となった夫を支え続けたと言われています。
この、楫取素彦との再婚の際、久坂玄瑞の想いを全て断ち切るために、名前(→楫取美和子にか改名)まで変えてしまうという、切実な覚悟が、当時の文にはあったのだそうです。世が世なら、大家族と、そして学友と共に笑いながら過ごせたものを、時は幕末の動乱。幕府も不安定ここ極まれり、追い打ちをかけるように諸外国からの圧力。否応なくそのような情勢に巻き込まれざるを得ない苦悩が伝わりました。




朝到着した時は、萩の街の魅力に取りつかれたように、ぐるぐる見て回りながら自転車を走らせていたのですが、本来頭の中にあった最初の目的地である萩城址、到着した時は、実は結構ぐったりだったりしていました。 (´∀`;)
麗らかな春も終り、初夏の薫りが少しずつ漂い始めた5月のゴールデンウィーク。日中の気温も上がり、ただでさえ暑いのに、雲もほとんどない快晴。朝でこそ爽やかな風が吹き抜けるものの、日中になるとやっぱり暑くなりますね… (´∀`;) なので、萩城址に到着した時は、ちょっと園内をゆっくり散策しよう… と考えても、身体をそういうふうに動かさないのがワタクシ。疲れるから寄せばいいのに、萩城背後の詰丸跡の山頂へ登りました。山はそれほどまで高くはないんですけれど、暑い中を走った後に山を登ったわけですから、少なからず足にきてしまったわけです。


そんなことがあったこと、また萩を去る時間も刻一刻と迫っていることから、本来であれば城下町をゆっくりと散策しようと思ったのですが、城下町の道程と、そして、萩であれば街中で見かける伝統工芸『萩焼』の作品を鑑賞して回りました。
恐らくですが、家屋を拝見出来るところもあるのでしょうけれど、萩の城下町の家は、今はごく普通の家に建て替わっているところが多いように見受けられます。その代り、道程の塀や瓦は、復元されているものも多いのでしょうけれど、当時の面影を少なからず感じましたね。



最初のモチベーションの高さを、こんな感じで街撮りPhotowalk終了に至るまでもたせたこともあり、次の目的へ行く電車の中ではグッタリ… (´∀`;)
そんな時、道端でこんな風に寝ているネコ様に癒されておりました。

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