縄文杉への登山の入り口の一つである荒川登山口から縄文杉までの道程は、片道5時間。帰りのバスの時間の関係もある(通常は夕方で終了)。もし日帰りで登山し、夜にホテルに戻るとか、鹿児島へ戻るなどの行程を組むならば、自ずと早朝に出発し、午前中、少なくとも昼前には縄文杉に到着、そのまま戻らなければならない。結構ハードなスケジュールだったりする。 ^^;
ホテルのオーナーの話によると、最短記録は往復で2時間半~3時間だったとか! つまりそれくらいの足早(というかほとんど走る勢い)で行けば、縄文杉より先の宮之浦岳の山頂まで行くことが出来そう。
が、その行程は縄文杉に到達するよりさらに厳しそうで、願望はあるものの、そこまでの装備を持っているわけでないので、今回は断念した。当然のことながら、撮影しながらの登山だったので、そもそも縄文杉まで到達するのに4時間半かかったのだ。また、登山口から縄文杉までの行程は、登山と言うよりトレッキングのイメージ。しかし勾配は白谷雲水峡のそれよりきついところがある。登山道は整備されているし、急勾配を登る為のロープや梯子等は無いものの、慣れていないと少々きついかもしれない。
ペースを守って、しかも宮之浦岳にまで登山するというのであれば、出発は真夜中、もしくは途中にある山小屋に泊まる、という行程を組んだ方がよさそうだ。
余談ではあるが、登山道によっては急勾配を登る為のロープが設置されている箇所もある。半ばロッククライミングのように登る場所と言ってもいい。このような場所があるから、本格的な登山を色々な場所で楽しむならば、やはり単独での行動ではなく、複数人でパーティを組んで登山をした方がよさそうだ。
昨日の白谷雲水峡は、優しい木漏れ日の差す晴れの日に行った。森の中に柔らかな雰囲気と光に包まれていたのを覚えている。一方、縄文杉への登山は、雨の日に決行した。実際には雨というよりも深い霧に包まれた日だ。すると、森の雰囲気が一転する。
薄暗い。幽玄。不気味。触れがたい。
光り輝く森は、とても柔らかでまだ親しみやすかった印象があった。しかし、今日の森は、違う意味での神々しい雰囲気を感じる。まるで触れてはならない、近寄りがたい、恐ろしい。そんな空気が一面を包んでいたのだ。何だか、とんでもないところに足を踏み入れたものだ。 ^^;
荒川登山道からウィルソン株の1km弱手前まで、トロッコ道が続く。このトロッコ道は、屋久島で伐採した杉の運搬、山道に住む人たちの交通(生徒の通学、主婦の買い出し 等)に使われていた。現在、山道に住んでいる住民はおらず、全く使っていない様にも見える。しかし聞いた話によると、まだ利用されているところもあるらしい。が、その使用頻度はもう年に数える程度だろう。是非、この行程中に見たかったが流石に見ることが出来なかった。
ウィルソン株を過ぎ、屋久杉へ向かう足を進める。一層霧が濃くなる。濃い霧に覆われた森の雰囲気が、恐ろしくもあり、それだからなのか、目を奪われるほどの美しさも際立っている。時間もそんなにあるわけでもないのに、夢中になってシャッターを切っていた。
そして屋久杉到着。到着時間は10時。荒川登山口を出発したのは朝5時半だから、4時間半かかったわけだ。予定ではもうちょっと早くの到着を見込んでいたが、さすがに時間がかかってしまった。途中途中で写真を撮っていたから仕方がないとはいえ… でも、そんな風に周囲に目を配りながら、じっくりと自然を感じなければ、きっと屋久島の旅も面白さ半減していたし、後悔も多かっただろう。だから、それはそれで満足している。
縄文杉へ到着した。それまで、縄文杉まで立ち入ることが出来、幹に抱き着くことが出来たのだが、杉の保全や周囲の草花の踏み荒らし防止を考慮して、立ち入ることが出来なくなっていた。
更に、隣接する2つの展望台もそのうちの一つは立ち入りが禁止されている。というのも、杉があまりにも高齢になっていること、幹に腐敗が認められること、縄文杉の枝に寄生する植物の重さなどから、いずれ縄文杉が倒れる可能性がある、ということなのだ。いつ倒れてもおかしくないらしい。
屋久島のスポットの一つであるとは言え、やはり生きている樹。いずれは倒れる宿命、自然の営みの一つなのだ。人間が無闇矢鱈に手を加えるべきではない。自然に、その行く末を見守ろうと思う。
登山を終え、昨日の白谷雲水峡のトレッキング、朝早くからの登山と言うことも相成り、身体はだいぶヘトヘトになっていた。ホテルの近くに温泉があり、それまでの疲れを癒した……
ということをtwitterで呟いたら、屋久島のガイドの御一方からの返信が。「丁度その時間、ウミガメの産卵の観測がありましたのに…」
は、早く言ってよそういうことはっ! \( ゜皿゜)/ キーッ
縄文杉 (Jomon Sugi) | 屋久杉自然館 (Yakusugi Museum) |
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